監督/成島出
原作/門井慶喜
2023年/日本/128分
無名だった宮沢賢治を支えた、父と家族の絶対的な愛の物語。
STORY
質屋を営む裕福な政次郎の長男に生まれた賢治は、跡取りとして大事に育てられるが、家業を「弱い者いじめ」だと断固として拒み、農業や人造宝石に夢中になって、父・政次郎と母・イチを振り回す。
さらに、宗教に身を捧げると東京へ家出してしまう。
そんな中、賢治の一番の理解者である妹のトシが、当時は不治の病だった結核に倒れる。
賢治はトシを励ますために、一心不乱に物語を書き続け読み聞かせる。
だが、願いは叶わず、みぞれの降る日にトシは旅立ってしまう…
トシが亡くなってしまい、「トシがいなければ何も書けない」と創作意欲を失くしてしまった賢治に父・政次郎は「私が宮沢賢治の一番の読者になる!だから物語を書け!」と励まします。
そして「俺は本当はお父さんのようになりたかった。でもなれなかったから子供の代わりに物語を生んだのす」と打ち明ける賢治に「それならお前の物語はお父さんの孫だ。大好きで当たり前だ」と政次郎は言います。
ですが、ようやく道を見つけた賢治にトシと同じ運命が降りかかる──。っていうお話になっております。
今もなお、唯一無二の物語や詩で世界中から愛されている宮沢賢治ですが、生前の彼は無名の作家のまま37歳という若さで亡くなっています。
彼の死後もその才能を信じ続けた家族が賢治の作品を諦めずに世に送り続けたために、高い評価を得るようになったのだそうです。
宮沢賢治がそんなに若いうちに亡くなっていたこと、宗教にハマったこと、生きてるうちは評価されなかったことなど、この作品を観て初めて知りました。
そして、こんなにも良い家族に囲まれていたことも初めて知りました。
家族みんなに賢治は愛されてたんですね。
印象的だったのは、賢治が小さい頃に赤痢になった時におじいさんに「宮沢家の当主が看病なんてみっともない」と言われても「賢治が死んだら私も死ぬ」と政次郎は賢治の看病のため病院へ向かいます。
ちょっと親バカな所もあるけど、凄く良いお父さんです。
割烹着姿可愛い![イエローハーツ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/515.png)
![イエローハーツ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/515.png)
もうひとつ印象に残ってるのが森七菜ちゃん演じるトシとおじいさんのシーン。
痴呆が始まり、訳がわからなくなってきたおじいさんにトシがビンタして言うんです。
綺麗に死ね。
大丈夫ですよおじいさん。怖くないのす。
死なないでおられる人などおりません。
若い人も年老いた人も子供でも。
だからどうか心を穏やかに。
大丈夫みんなおじいさんが大好きですから。
涙出ました。
森七菜ちゃん実はあんまり好きじゃないんだけど、でもトシのこの言葉は心に響きましたし、凄く良い演技されてました。
なんて聡明で、なんて強い女性なんだろうって思いました。
賢治のする事を否定することなく見守り、いつか宮沢賢治の詩や物語をたくさんの人が読むことになると信じて疑わなかった政次郎の愛情の深さに終始感動しっぱなしでした。
賢治が息を引き取る時に政次郎が【雨ニモマケズ】を読む場面は本当に胸に沁みたし、あの詩の良さが改めてわかりました。
こんなに愛情深い政次郎父さんだからこそ、子供二人に先立たれることはものすごく辛かっただろうなっていうのが容易に想像出来ました。
お読みいただきありがとうございます。
では股((ヾ( ◍´꒳`◍ )マタネー![イエローハート](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/514.png)
![イエローハート](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/514.png)