娘さんが生まれた時

実母にベビー服、子供服を渡された。


なんでも

昔、私が着ていた服を

いつか孫に着せようと取っておいたらしい。


「いらなかったら捨てていいから」

と、言ってきたので選別することにした。


実母はヒラヒラ、フリフリした服が大好きだ。

そんな服が、私は絶望的に似合わなかった。


中学生の頃、実母と出かける時は

ヒラヒラ、フリフリした服を着させられた。


その日の夕方に私は

学習塾に行かなければならなかったので

着替えてから行こうと思っていた。


しかし実母が

「可愛いからそのまま行きなさい」

と着替えさせてくれなかった。


塾に行ったら

案の定、他の子からの視線が痛かった。


透けた白ニットのカーディガン。

ヒラヒラのついたピンクのトップス。

フリフリの短い水色のスカート。

リボンの付いた短い靴下。


ダサいし、本当に似合っていなかった。

私は恥ずかしくて、勉強どころじゃなかった。


塾が終わって実母が迎えに来て

「みんなから、〇〇ちゃん(私)可愛いって言われたでしょー?」と上機嫌で聞かれた。


誰もそんなこと、言ってくれなかった。

反対に、いつもしゃべる友達に目線を外され

その日は誰とも喋れなかった。


…そんな苦い思い出の服も、もちろん取ってあった。


捨てていいと言いつつ

本当に捨てたら激怒するだろうから

とりあえず全部もらってきた。


娘さんに着させることはないだろう。


でも「あの服どうした?着せないの?」

と、言われたらどうしよう。


虫に食われたと言おうかな。