情熱的な赤色に染められた会場の中、
おかげさまで大盛況の後に幕を閉じることができました。
ありがとうございました。
今回、私はイベントの音楽を担当させていただきました。
話をもらった時に、赤が映えるにはどんな曲を選ぶべきか、
踊れるようなアップテンポの曲がよいのか、
生々しいアコースティック楽器が響く曲がよいのか、
それとも、野性味のある民族音楽がよいのか、
試行錯誤を重ねましたが、
そういったこちら側からの視線ではなく、
もう少し俯瞰してみると何か違うアイデアが出るのでは、
そして、もっと基本的なところでの統一感が出るのではと、
視点を変えてみることに。
そこで思いついたのが2011年を象徴するキーワード。
3月11日。
そこから3月録音の名盤を集めてみてはどうだろうか?
というアイデアが湧いてきました。
一見単純に思えますが、3月録音のアルバムを集めて聴いてみると、
アーティスト・年代は違えど、深いところで統一感があるんですよね。
12カ月というサイクルの中で、3月という月に感じる思いは、
国や季節を超えて人間に組み込まれた一種の共通プログラムとして、
何かがあるのでは、という思いがしました。
アルバムをピックアップしてみて、
これらのアルバムを再び聴く時は必ず2011年3月11日を思い出し、
この人災(天災ではなく)を忘れることのないものとして刻まれるよう
そんな願いが強くなりました。
イベントではそのコンセプトも奏功したのか、
ジャズという最も生々しく有機的な音楽が、
自らの手で有機的なものを創作されているみなさまのエネルギーと相まって、
会場はとてもすばらしい、即興的に形作られた空間になりました。
今回ピックアップしたアルバムは主に40年代から60年代、
いわゆるジャズの過渡期と言うべき時代の作品です。
半世紀以上も前の作品であるにもかかわらず、
いま活躍されている方々のエネルギーと真正面から対峙できる、
そんな力を持っていることに、改めてジャズの強さを感じました。
会場にいらっしゃった方々全員とお話することが叶わなかったので、
ここで、イベントでかけた作品の一覧をご紹介します。
これがみなさまのジャズの入口となれば光栄ですね。
注)3月録音の作品が中心ですが、季節柄12月録音と、イベントカラーである赤ジャケの名盤を入れ込んでいます。
ジャズドラムの大家アート・ブレイキーがラテン・アフリカン・パーカッショニストたちと共演したドラムス異種格闘技盤。ユセフ・ラティーフも参加している。
The African Beatジャック・マクダフのオルガンが炸裂する、ジャズファンク色の濃い異色作。HipHopの音ネタとしても使われている。
Moon Rappin薬物中毒と精神病に苦しみ、好不調の波が激しく、佳作が少ない50年代後半のバド・パウエル作品の中でも出色の作品。
Scene Changesもはや説明不要。キャノンボール・アダレイの生涯の中でも最も人気作。本作の実質的なリーダーであるマイルス・デイビスの名演が聴けることでも有名。
Somethin' Else白人らしからぬクセのあるピアニストであるクロード・ウィリアムソンが敬愛するバド・パウエルの愛奏曲を豪華なバックに支えられて吹き込んだ名作。
Round Midnight50年代当時としては珍しいジャマイカ出身のトランペッター、ディジー・リースがハードバップを奏でた隠れ名盤。ウィントン・ケリーのピアノが妙にマッチしている。
スター・ブライト若かりしハービー・ハンコックとウエイン・ショーターがその才能を遺憾なく発揮している名盤。もはやリーダーのドナルド・バードを従えている感すらある。
Free Formジャズベース界に偉大な功績をのこしたジミー・ブラントンに捧ぐアルバム。エリントンがレイ・ブラウンという大きな土台に支えられて完全にピアニストとして自由に演奏しているところが聴き所。
This One's for Blantonブルーノート唯一のクリスマス・ソング集。ハードバップを代表するピアニスト、デューク・ピアソンが軽快に、そして一風変わったアレンジで聴かせるのが面白い。
メリー・オール・ソウル+1(紙)26歳という若さで夭折した天才トランペッター、ファッツ・ナヴァロが残した作品。後年ジャズ・ジャイアンツとなったガレスピー、クリフォード・ブラウンに多大なる影響を与えた。
Nostalgia堅実な演奏で日本ではとても人気の高いハンク・モブレイの作品。リー・モーガンの華のある演奏とは対照的ないぶし銀的なモブレイの演奏を比較するのも面白い。
Dippinモブレイとモーガンの双頭アルバム。これを境に二人の明暗はくっきりと分かれる。モブレイの作品にしては珍しく非常にスリリングな出来に仕上がっている。
Peckin Timeずいぶん長くなってしまったので続きは次回です。
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