このグループを知ったのはアメリカ在住時。
当時私はFIKUSというバンドに参加していました。
そこで一緒に演奏していたスイス出身のサックス奏者フィルが
「スイスではe.s.t.というグループが
ポップ・チャートでも上位にランクされていてすごい人気なんだ!」
と私に教えてくれたのがそもそもの始まり。
フィルの車の中で聴いたe.s.t.の音楽は衝撃的でした。
オーソドックスなジャズ・ピアノ・トリオなんですがソロと曲の境が見えない。
ソロも曲の一部になっているんですね。
しかも誰がソロをとっているのかわからない。
三位一体となり互いに曲のイメージを壊さずソロをとり音楽を盛り上げる。
私はあまりの曲の美しさと完成されたその音楽に魅了されたのです。
こういったグループの場合誰か一人でも欠けてしまうと
とたんに音楽のイメージが壊れるというか悪い意味で変化してしまいます。
まるで全く違うグループのように。
昨夏e.s.t.に最悪の形でその時はやってきました。
リーダーでピアニストのエスビョルン・スベンソンが
ダイビング中の事故で帰らぬ人となってしまったのです。
享年44歳。
あまりにも早い死であるとともに次世代を担う重要なキーパーソンをジャズ界は失ったのです。
e.s.t.の音楽が三位一体であることを証明するのに最も適した曲がこれです。
合掌。