(今宵は
少し長くなりますので
お時間があればお付き合いくださいませ)
桜があんなに美しく
人の心を否が応でも惹きつけるのは
その下に死体が埋まっているからという
伝説がある
普段は認識することのない
死の世界を内包したいのちの表現だからこそ
妖しいまでに美しく響く
先日、長い間日本中のお茶の間を笑わせ続けてきた
偉大なコメディアンが
新型コロナウィルスによる肺炎で亡くなった
感染の公表から一週間にも満たない
あっという間の死だった
日本人で知らない人はいないんじゃないかというぐらい
老若男女に慕われ続けた方に訪れた
コロナウィルスによる突然の死だっただけに
その死は
今までコロナ騒動はどこか
大都市の間だけの問題であり
マスクやトイレットペーパーを漁りながらも
無意識に自分には関係ないと思っていた人々の
意識を
ショックと共に一気に自分の問題とする
力を持っていた
あんなにも桜に心惹かれるのは
いのちというものは常に
その身に死を内包してこそのいのちなのだと
日本人のDNAは知っているから
生と死は
もとはひとつのいのちの
別の顔をしたあらわれ
そのあらわれを
惜しげもなく美しく咲き誇って
やがては散ってゆく姿に
言葉を超えたところで
感じているのだと思う
死が生に与えるもの
もちろん今まであった姿が見えなくなることに
触れること
語ることは
もう出来ないという
どうしようもない悲しみに
包まれてしまうのは避けられないけど
その死が同時に
生きるものに最大の力を与えてくれていることを
忘れてはならない
そうやってずっといのちは続いて来たのだから
死がもたらす残された者への
不安や怖れや怒りの奥に
静かに佇むもの
あくまで私見で
憤慨なさる方がいらしたら
大変申し訳ないけど
彼がその死をもって
日本人全員に今
コロナウィルスといういのちのあらわれが
教えてくれているものと
逃げずにしっかり向き合え!と
ショックと怖れを通して
手渡してくれたのは
あの偉大なコメディアンの
最後にして最大のプレゼントなんだと
夜桜は教えてくれる
その先にこそ
いのちの花咲く未来はあるのだから
彼の数多い大ヒットネタの中に
「だいじょぶだァ〜〜」
というものがある
子供の頃から
マネして親しんでいた
ラストメッセージ
"だいじょうぶだ!!”
大丈夫ではなかったかのように見える
死の奥に隠されている
"大丈夫“といういのちのメッセージを
受け取りたい
まだ感じれていない
そのプレゼントを
今に残された
混迷の時代をむかえる日本人が
受け取ることで
その一生をお笑いに捧げた偉大なる先人が
最後に手渡したものが
生と死を超えた
尽きることのない
それこそ放送コードやコンプライアンスや
好き嫌いすらも超えた
いのちの笑い
笑ういのち
だったということを
今に生きているものたちが
知ることになる
「殿
最後のプレゼント受け取りました
心よりご冥福をお祈り申し上げます
ありがとうございました。」
