トヨタさん | 夜のひるね。

トヨタさん

「あの日の彼女」


空前絶後の人手不足って本当かな

2000年入社の私は実感ないのだけど

お若い方々が働きやすくなるなら 良かった



大学時代全く仕事が決まらなくて

東京で一人暮らし出来る給与を出してくれるなら

聞いたこともないデザイン会社も片っ端から受けた

「ひとまず働いてみない?ボランティアだけど」

そんな学生の足元見るような事務所の社長さん

とりあえず1日出社してMacの前でMacを食べた

そんなロクデナシ会社で鮮やかに一人

マッキントッシュを操ってたのがトヨタさんだった

時代に乗れない手作業デザイナーの中

胡散臭な社長からも重宝されてた彼女

そんなトヨタさんから仕事帰りに貰ったメールには

「出来たらこんな会社逃げた方がいい
 あなたならもっといいとこ行けるから」

自分のいる会社がどん底だって言う気持ち

まだ若くて大学の先輩だったトヨタさん

無知で脳天気な私を

損得なしに助けてくれたんだな

私はお礼を伝えて、まだまし?かもしれない

そこそこブラックな制作会社に入社して

そこが倒産するまで粘って修行した



元気にしていますか

私はあれから沢山の色々なことがありましたが

しぶとくやっています
 
トヨタさんのいた会社は本当にろくでもなくて

多分時代の波に飲まれて多分今は無いのでしょうが

あなた自身の持つ頼もしく美しい価値は

在籍する会社の価値とは違うところにあるのだから

良いデザイナーになってください

あの時のトヨタさんよりずっと大人の私

いつかの彼女に一杯伝えたいな