こんにちは、azrocksです。

昨日は石フリマに沢山の方が来てくれて楽しい時間を過ごせました!



さて今回はアゲートに関する蘊蓄回です。


アゲートは隠微晶質のシリカ鉱物で、単結晶シリカ鉱物の水晶とは別物です。


結晶成長の材料


以前紹介しましたが、水晶は高温環境下でゆーっくり時間をかけて結晶が育ちます。原料はケイ素を1原子のみ含むケイ酸。


一方、アゲートは水晶よりは低い温度で形成されます。育つ速度はマチマチで、原料はケイ素を複数原子含むケイ酸のポリマー。


生成機構


世界で最も研究されている結晶は、半導体で使用されるシリコンやシリカ。シリカの単結晶である水晶は安価で人工的に作ることができます。一度核が出来ると後は結晶面に一分子ずつケイ酸が堆積して結晶が育っていきます。

(因みに二番目に研究されている結晶はかつて銀塩写真で使用されたハロゲン化銀)


一方、アゲートは結晶形成機構の学説が定まっておらず、人工的に作ることができません。一説によると、ケイ酸ポリマーが堆積・凝集してアゲートが形成されるとか。アゲートの縞状模様は透明なエリアと白いエリアが交互に並びますが、白い方が結晶化度が高くて隙間が少なく、透明な方が結晶化度が低くて隙間が多い。そのため染料でアゲートを染めると隙間の多い透明なエリアだけが染色されます。マルコ先生は、アゲートの縞状模様は乾季と雨季の季節要因に起因するとしています。


産地


水晶の有名産地は、ブラジル、ヒマラヤ山脈、米アーカンソー州、コロンビア、中国四川省・貴州省等。


アゲート、ジャスパー、オパール等のシリカ鉱物の有名な産出地は、ブラジル、オーストラリア、米オレゴン州、メキシコ、ボリビア、モロッコ等で、水晶とはあまり重なっていません。

マルコ先生はケイ素を同化するランタナという花の植生地とアゲートの産地が重なることから、ランタナによって濃縮されたケイ酸ポリマーがアゲートの原料になった説を挙げています。



生物が関与して初めてアゲートが形成されるなんて面白いですね。