セイコーエプソンの社員、松橋邦彦(IJ要素開発部)氏が、「縁なし印刷可能なインクジェットプリンターの発明(特許第3700677号)」において、「平成23年度全国発明表彰 発明賞」を受賞しました。


この発明は、インクジェットプリンターで、印刷用紙の縁に余白を残すことなく全面に印刷する「四辺縁なし印刷」の基本技術を世界で初めて確立したものです。この技術は、世界で多くのインクジェットプリンターに採用され、銀塩写真のような縁なし印刷が家庭やお店でも容易に行えるようになり、写真プリント業界の新しい時代を牽引しました。





全国発明表彰は、優れた発明・意匠の創作者、その実施および奨励に功績のあった者を顕彰することにより、科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的として、毎年行なわれています。表彰式は、発明協会総裁である常陸宮殿下、同妃殿下のご臨席を賜り、6月20日(月)、ホテルオークラ東京にて行なわれました。




発明の概要


従来のインクジェットプリンターでは、印刷用紙全面を案内部材に載せてインクを吐出する構造上、印刷用紙の縁に所定の余白を設ける必要があり、銀塩写真のような縁なし印刷を行うことができませんでした。


発明者は、印刷用紙を下から支持するガイドリブを設けて、印刷用紙を案内部材から浮かせて水平に保つ構造とした上で、印刷範囲を印刷用紙の縁の外側まで僅かに拡大してインクを吐出し、更に印刷用紙の縁から外側に外れて吐出されたインクをインク回収部にて回収するという、従来とは全く異なる斬新な機構を着想することにより、縁なし印刷を実現しました。


当社は、本発明の技術をもとに、印刷用紙全面に印刷する「四辺縁なし印刷」機能を搭載したインクジェットプリンター「PM-900C」などを2000年に商品化しました。以来、現在も世界中の多くのプリンターで本技術が採用されています。また、本発明の技術は、ビニール袋や布など、紙以外の媒体への印刷も可能であることから、包装材業界、アパレル業界などの様々な業界にも拡大しており、製造工程を大きく変革する可能性を期待されています。




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