母子家庭から父子家庭へと戻った私の日常は、また以前の様に忙しかった。学校が終わって家に帰り、制服から私服に着替えると、私は父親が置いてってくれた千円札を持ってスーパーへと向かった。晩ご飯のメニューを決めるのは大変だった。それでもやってるうちに慣れてくるもので、段々と買い物も負担ではなくなって行った。

 

 

 

 

週末になると兄が家に帰って来るので、金曜日の買い物はいつもより多くなった。私はそれでも兄が帰って来る喜びに浸っていた。

 

月~金を我慢すれば、週末には兄が帰って来る。私はそれを心の拠り所にしていた様に思う。

 

 

 

 

 

当時兄が付き合っていた彼女もやって来て、3人一緒にご飯を食べるのが私達のルーティンになっていた。

 

その時間が一番好きだった私。いつになく笑顔が溢れた。

 

 

 

 

 

家族団らんを知らないで育った私にとっての、それは文字通りの家族団らんだった。

 

その楽しいルーティンは私が高校を卒業するまで続いた。兄にとっても楽しい時間だったと思う。そして多分、彼女さんにとっても楽しい時間だったと信じている。

 

 

 

 

 

 

彼女さんは私がオーストラリアに行っている間に義姉になった。それは私にとっての幸せでもあった。写真の中の義姉のウェディングドレス姿はとても輝いて見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued

 

 

 

 

 

 

 

注:画像は全てお借りしています。ご了承下さい。