棚橋vsKENTA

 

概要:1.5東京ドーム IWGP USヘビー級選手権 ノーDQマッチ(反則負け無し)

 

私的見所

棚橋→ストロングスタイルからの脱却&女性・子供も楽しめるプロレスを標榜・体現してきた

     棚橋が、どんな反則技を仕掛けるのか?

 

KENTA→ヒールレスラーとしてトップクラスの実力&リング内に収まらないパフォーマンス力

      を持つKENTAが、反則が反則ではない舞台で、どう立ち振る舞うのか?

 

 

分析①:メガラダーとは何だったのか?

この試合は結局はメガラダーの活用法に集約されるかと思う。

フィニッシュのハイフライフロー、その前のKENTAの落下、この2つがハイライトだろう。

 

・KENTAの落下

 この試合でKENTAは脱臼骨折等の大けがを負ったが、原因は棚橋のハイフライフロー

 ではなく、その前のメガラダーからの落下だと推測する。

 少なくとも、鼻の骨折に関してはほぼ確実に落下のダメージだろう。

 その証拠に、あの直後から鼻の出血は酷くなる一方だった。

 それに、長机が緩衝材+地上高が高い分、コンタクト時の威力が下がるハイフライフロー

 よりも、直にマットに叩きつけられる落下ダメージの方が大きいことは想像に難くないだろう。

 

 KENTAが最も評価されるべきだと思うことは、その後の流れ、つまりは棚橋の

 ハイフライフローとオスプレイの鉄柱からのムーンサルトプレスの流れまで、高さの基準を

 KENTAが作ったことだと思う。(予想)

 「高いところから飛び降りる(落ちる)」時のポイントは、シンプルに

 「どの高さから飛ぶか」である。ことプロレスにおいて特殊なのは、

 

 1.観客は想像の上を期待する

 2.ほとんどの観客は100kg以上の体重で落下するダメージを知らない

 

 特に2については、プロレスラーの宿命と言っていいのかもしれない。

 私も筋トレが趣味で、増量期に体重が95kgまで増えた経験があるが、あの頃は

 普通の脚立でさえ上がるのが怖かった。

 大袈裟に言うと、常に小学生を背負って動いているようなものである。

 その上で、観客の予想を上回る高さから飛ばなければいけない。

 そして、飛び降りるとどうなるのか・・・その覚悟も必要だ。

 

 KENTAは見事に落ちた。はっきり言って、私の想像より何段か高い位置から落ちた。

 結果、骨折した。覚悟の表れだと思う。

 1.8は古巣ノアとの対抗戦が横アリであった。それでもKENTAはやり切った。

 プロレスラーの矜持を痛烈に感じさせた。

 

・棚橋のハイフライフロー

 棚橋も予想より高い位置から飛んだ。もしかしたら試合前から飛ぶ位置を決めていた

 のかもしれないが、KENTAに触発された可能性も十二分にあるのではないか。

 

 KENTAがあの高さから落ちたのに、フィニッシュのハイフライフローをあれよりも

 低い位置からやるわけにはいかない。

 飛ぶ前に、棚橋はしきりに声を出し自分を鼓舞していたが、あれはパフォーマンスではなく

 心の叫びだったと思う。

 もしかしたら、もっと低い位置でも、観客は満足したかもしれない。KENTAより低いとか

 思わなかったかもしれない。なんなら、今のプロレスを見慣れた観客から悲鳴が

 上がるかもしれない。

 それでも棚橋は飛んだ。これもプロレスラーの矜持だろう。

 

 

分析②:試合後のコメント

棚橋は「コテコテのレスリングがしたい」と後悔するような口ぶりで振り返った。

現代プロレスの分水嶺とも言える棚橋からすれば、当然だろう。

しかしその後、TwitterでのKENTAから「俺たちは覚悟を持ってプロレスをしたじゃないか」

という呼びかけに、「そうだね」とあっさり返している。

KENTAから「覚悟」という言葉が出たことも興味深いが、それ以上に棚橋の切替しには

寒気すら感じた。(もちろん良い意味で)

野毛の道場から巨大な猪木の写真を外したという逸話があるが、慣習をぶち破ることが

ある意味での棚橋のスタイルなのかもしれない。

そう考えると、今回のノーDQマッチの展開も納得がいく。

 

 

総括

棚橋とKENTAはヤバい。