今月6日、日本大学のアメリカンフットボール部の部員が、
関西学院大学との試合中に、
相手のQB(クウォーターバック)の背後から体当たりでぶつかっていく
「危険タックル」をして、けがをさせた事件で、
きょう、その危険タックルを犯した日大の選手が記者会見し、直接謝罪した。
タックルを受けた関学の選手は、腰などに全治3週間のけがをして、
加害選手を相手に、警察に被害届を提出している。
きょうの会見で、加害者の選手は、けがをした選手などに謝罪したうえで、
その「危険タックル」が、監督やコーチから指示されたものであると認めた。
試合数日前から、全体練習に参加させてもらえなかったらしく、
監督やコーチから「相手のQBをタックルでつぶすなら、試合に出してやる」といわれ、
良心が痛みながらも、
指示に逆らえなくて、やってしまったという。
いや、「やらざるを得なかった」と言った方が正しいかもしれない。
日大アメフト部の前の監督は、この事件の責任を取り、監督を辞任しているが、
危険タックルを指示したか否かについては、明言を避けている。
今回、この選手は、自らの選手生命が断たれることを覚悟のうえで、
真実をきちんと公表した。
たしかに、危険タックルをした行為は許されることではないが、
この選手も。監督やコーチから屈辱的な仕打ちを受けて、精神的に追い詰められて
危険タックルを「やらざるを得ない」状況にまで追い込まれたのかもしれない。
いわば、監督やコーチから「マインドコントロール」され、正常な自己判断ができなかったかもしれない。
営業職で、上司からノルマに追われた部下も、似たような状況に陥るかもしれない。
ひと昔前の「オウム真理教」と同じかもしれない。
だとしたら、本当に責められるべきなのは、指示を出した監督とコーチだろう。
選手を指導するコーチも、監督には逆らえなかったらしいということだし、
そもそも、監督と選手とのコミュニケーションが取れていなかったということに
あ然としている。
この選手は、この事件で、アメフト部を退部し、
今後アメフトをやる資格はないし、やるつもりもないと話している。
この選手は、「加害者」であると同時に、ある意味「被害者」でもあるといえる。