42-2004
図4の遺伝形式をとるものはどれか.すべて記せ.
a.結節性硬化症
b.色素失調症
c.ウエルナー症候群
d.色素性乾皮症
e.神経線維腫症2型
図4の遺伝形式をとるものはどれか.すべて記せ.
a.結節性硬化症 →○常優
b.色素失調症 →×伴優
c.ウエルナー症候群 →×常劣
d.色素性乾皮症 →×常劣
e.神経線維腫症2型 →○
46本=常染色体+性染色体
44本 2本
男性=22種×2本+XY
女性=22種×2本+XX
http://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/biology/genetics1.htm
X染色体とY染色体の遺伝子と進化
『NEWTON』2006年2月号より
■Y染色体の1個の遺伝子が胎児の体に精巣を作らせる
受精後8週くらいに精巣が作られる。
1980年代末、XXなのに男性として産まれたヒトのX染色体にはY染色体の先端付近が付加されていたことが分った。→ Y染色体の先端付近には「精巣決定遺伝子」があるにちがいない。
ピーター・グッドフェロー博士 「SRY」遺伝子を発見。Sex Determining Region on the Y Chromosoma
(Y染色体上の性決定領域)と名づけた。1991年、ロビン・ラベルバッジ博士らは、SRY遺伝子をメスのマウスの受精卵に入れる実験を行い、オスに性転
換したことを確認。
■男性ホルモンがはたらくには、X染色体の遺伝子が必要
X染色体の長腕の動原体付近にあるAR遺伝子(Androgen Receptor)=アンドロゲン受容体を作る。
■Y染色体は、男性の平均身長を高くする
最終身長は男性(英国)が174.7cm、女性(英国)が162.2cmで、このうち9cmはY成長遺伝子の有無によって説明できる。XYのアンドロゲン不応症の患者とXXの正常女性の最終身長の差は9cmであった。
■脳のネットワークづくりはX染色体が主役、知的障害が男に多いのは、Xに予備がないため
X染色体には海馬のニューロンを作るとか、ニューロンの突起を伸ばすとか、伝達を正常にする遺伝子、ニューロンどうしをつなぎ合わせる遺伝子、
mRNAを運ぶ遺伝子など、知能に関連する遺伝子が多い。自閉症に関連する遺伝子も17個がある。男性はX染色体が1本しかないため、すぐに症状に出てし
まう。
■X染色体には免疫に不可欠な遺伝子も多い。だから、男は女より感染に弱い
免疫系ではたらく13個の遺伝子がX染色体上にあった。
■女性の細胞では、X染色体の片方を眠らせる。なぜ?
マレー・バーが1949年、ネコの脳細胞に「バー小体」を発見。
大野乾、1959年、バー小体は凝縮したX染色体であると判明
メアリー・ライアン、1961年、バー小体は眠った(不活性な)X染色体であり、女性の体細胞では確率2分の1で細胞ごとにどちらかのX染色体が不活性化する。左眼だけが色覚異常の女性がありうる。
■X染色体はつぎはぎされて次世代へ。だが、Y染色体はそのまま次世代へ。
X染色体では交差が起こり、組み換えが起こるが、Y染色体では先端の領域の一部を除き交叉は起きない。
■X染色体の遺伝子は1098個。対するY染色体にはたったの78個。
■X染色体とY染色体は、一生を通じて男女の特徴を支配する
■3億年前には同じものだったX染色体とY染色体。そして1000万年後、ヒトはY染色体を失ってしまう?
ヒトの染色体異常
例1 形態異常の例 猫泣き症候群(猫声で泣く,小頭,心臓奇形,知恵遅れなど)
→ 第5染色体の1本が上部(5p)が欠失
親は欠失した上端部が他の染色体下端(13q)に転座しているので
異常は出現しない。
例2 数の異常の例 ダウン症候群
(異数性) → 第21染色体が3本ある=染色体数が47本
ダウン症候群の発生は卵巣の老化=卵子形成時の染色体不分離にあると思われる
資料 女性の出産年齢とダウン症発生率
25歳~ 1200名に1例
30歳~ 870名に1例
35歳~ 300名に1例
40歳~ 100名に1例
45歳~ 46名に1例
羊水診断=胎児の異常を早期発見
子宮内の羊水に浮かぶ胎児の細胞を採取し,培養して核型分析を行なう。先天性異常を発見できるが,子宮に注射するので,胎児を傷つける危険が皆無とはいえない。一部の医療機関で行われている。