「もう一つの人類」-11(終)(フローレス島を襲った大噴火)
 
フローレス島にひっそりと暮らしていたホモフロレシエンシス。
その痕跡はある時点でぷっつりと途絶えます。洞窟の地下4メートルに白い層が見えます。
分厚い火山灰の層です。1万6000年前に大規模な火山の噴火があったのです。
この層の上からは、ホモフロレシエンシスに関する痕跡は何も見つかりません。
この時の火山の噴火で、ホモフロレシエンシスは全滅したものと考えられています。
そして今長い眠りから覚めたホモフロレシエンシス。人類がいかに多様な進化を歩んできたのか。
私たちに少しづつ語りかけてきているのです。
 
「人類学の発掘だって何十年もあちこちでやってきているけど、分からなかったわけですよね。
  だから長く続けることが大事で、結果が1~2年で出なくても、何十年と続けていくことで、
  大発見につながるということは充分あると思います。人類学や科学の知識というのは、
  まだまだ発展していく可能性があります。
  これからもどんどん出てくる可能性もあるかもしれません。そういうことを感じました。」
 
リアン・ブアの洞窟では、今でも発掘が続いています。
この日、ステゴドンの大きな骨の塊が発見されました。
研究チームはフローレス島だけではなく、周辺の島にも研究の範囲を広げようとしています。
ホモフロレシエンシスとはいったい何者か。謎の追及はこれからも続いていくようです。
 
(おわり)