「ナスカの地上絵」-7(出土する大量の布は気球を作るため)
 
ナスカの地上絵、そのカギを握るあるものが遺跡などから発見されていたのです。
そのあるものとは布です。墓などから大量に出土した布は、死者を包むのに使われたり、
死者のかたわらにたたんで置かれたりしていました。
その関係に着目したのがアメリカの探検家ウッドマンでした。
1973年、彼は初めてナスカの地上絵を空から眺め、なぜこのようなものをと思いめぐらすうちに、
ある考えが脳裏に浮かびました。古代ナスカ人の何らかの方法で、この地上絵を空から見ていたはずだと。
2000年前、我々と同じ人間が、何か当時のものを使って、このナスカの上空を飛んでいたに違いないと…。
それ以来彼は何回となくナスカを訪れ調査を重ねるうちに、
ナスカの墓の中に大量の布があることに注目したのです。
 
「これほど大量に布が存在する遺跡も珍しい。地上絵と何か関係があるのでは…。」
ウッドマンはそう考えました。しかし、その何かが分かりませんでした。
 
その後調査を続けるウッドマンの元に、ナスカ市立博物館の女性館員が訪れ、
ある土器の破片を差し出しました。そこには、ある興味深いものが描かれていたのです。
それは気球らしき模様でした。さらに調べると気球らしきものがたくさんあることが判明します。
ウッドマンは、一つの大胆な仮説を立てました。
あの大量に発見された布は、気球を作るために使われたのではないかということでした。
 
そこでウッドマンは、アメリカの気球製造会社にこの布の分析を依頼しました。
そして驚くべき結果がなされたのです。ここに当時の分析報告書があります。
 
「この布の密度の高さは、現在の軍事用のパラシュートにも匹敵します。あるいはそれ以上です。」
 
つまり発見された布は、現在の布よりもはるかに丈夫で、密度の高い布だというのです。
しかもこの布は、大きいもので長さ30メートル、幅6メートルもありました。
そして時期を同じくして、地上絵付近から円形の焦げ穴が多数見つかったのです。