「深層崩壊」-4(時速100キロで崩壊)
 
さらにこの時、直撃を免れた家にも新たな脅威が迫っていました。
上田さんが川の下流から撮った写真です。
何と25メートルの土砂で川がせき止められていたのです。これはその時の上流の様子です。
川の水位は急激に上昇し、道路や家屋を進水させていきました。
1時間15分後、せき止湖はついに決壊し、激流が一帯を襲いました。
 
「その水の勢いというのはすさまじいものでした。
  河原にあった倒木や家の残骸などが、一気に押し流されました。」
 
2011年、紀伊半島では72ヶ所で深層崩壊が発生しました。
なぜこれほどまでの崩壊が起こったのでしょうか。
 
「津波のようにあれだけの土砂が襲ってくるって本当に恐ろしいですね。」
「数もさることながら、スピードがものすごいんです。
  表層崩壊の場合は、土石流というのができます。これは時速20~40キロくらいです。
  ところが深層崩壊、宇井地区の場合は、時速100キロなんです。支えが無くなって落下した感じです。」
「逃げられないですね。」
「なぜ想像を絶するような崩壊が起きるのか、発生する場所に注目すると、
  その謎が明らかになってくるんです。
  深層崩壊が発生した奈良県の南部を拡大したものです。この部分が崩壊した場所です。」
「もっと斜面が急な場所だと思っていましたが、結構緩やかで不思議ですね。」
「奈良県の南部の大規模な深層崩壊の大部分は、北西方向の斜面で発生しているんです。」
「なんでだろう、その方向に何があるんだろう。」
「やはりプレートの影響かと思いますね。」