「海底地震津波観測網」-10(全国の研究者がデータ収集)
 
海底の地震津波観測網の完成を待ち望んでいる研究者がいます。
東京大学の篠原さんは、これまで長年にわたってOBSと呼ばれる海底地震計を用いて、
地下の構造を研究してきました。
 
「今回の地震は海域で起こりましたので、震源近くで観測するというのが、
  非常に重要なことです。」
 
陸の地震計と海底の地震計では、その結果にどのような違いがあるのでしょうか。
 
2008年5月に、陸の地震計が観測した茨城県沖の群発地震を見てみます。
解析の結果、陸の地震計では、震源は海底下100キロ付近に散らばっていると示されました。
しかし、海底に設置された地震計のデータからは違う結果が導き出されました。
震源は30キロほどの深さで一直線上に並んでいたのです。
海底で観測したことで、この地震はプレート境界で起こっていたことが証明されたのです。
 
「どの場所で、どれくらいの深さで地震が起こっているのかを明らかにするためには、
  海底で地震を観測する必要があります。」
 
東日本大震災の後、全国の研究者は連携して海底に地震計を設置し、
さまざまなデータを収集し、解析を続けています。