「冬季湛水で生き物力 アップ」-2(休耕田で生きもの復活)
田んぼの減少は、里山の減少でもあります。
休耕田の生きもの調査によれば、田んぼの生きものたちには、
里山と田んぼを行き来ししているものも多くいたようです。
生きものたちに対して、現在の生産水田の環境悪化は、往来をはばむものです。
生きものたちは、田んぼの代わりに休耕田を生息の場としているようだといっています。
生産性アップと生き物保全を同時に行うことは簡単なことではないのでしょう。
しかし、お米の生産が行われていない放棄地や休耕田を生き物保全に活用することは、
大いに考えられます。
最近、佐渡のトキの野生化が始まりました。田んぼの生態系を考えると、
その頂点に立つのは鳥です。
しかし、トキがエサを自由に取れる環境は整っているのでしょうか。
東北のある不耕起栽培の田んぼに冬季水を張ったところ、
ガンやハクチョウなどの渡り鳥が飛来し、
野鳥研究者や地元の野鳥ファンたちに大人気で、また遠くからやってくる、
渡り鳥観察の観光客も多いのだとか。
「冬季湛水」とは、冬季も田んぼに水を張ることです。
鳥たちがやってくるのにはわけがあります。当然のことながらエサがあるからです。
落穂やまた水生動物であるドジョウやザリガニ、小フナなどの小魚類やカエルなどの、
エサを求めて飛来するわけです。また渡り鳥のやってくる田んぼは雑草が少ないという、
報告もあります。
カモたちは草を食べるという性質もあり、無農薬栽培の推奨もあって、アイガモによる除草、
アイガモ農法の導入も盛んです。
農薬による害虫駆除を行わず、それを食べる昆虫を生かすことで、
害虫の大発生が抑えられます。
少なくとも耕作放棄地や休耕田に水を張ることで、
地域の生きものを増やす役割分担も必要だと思います。
近年、水鳥や渡り鳥のねぐらとなる冬季湛水が注目されていますが、
水深管理や雑草が押さえられる米ヌカ処理など、
環境に配慮した、除草剤を使わない耕作方法も開発されています。
