「冬季湛水で生き物力 アップ」-1(生産水田と休耕田)


残念ながら日本には耕作放棄地はたくさんあるようです。
農家の高齢化や減反政策、機械化、大規模化など、
さまざまな要因で放棄地に追い込まれるのでしょう。
小さな耕作面積の農家は、機械化にも経済的に負担となり、
ついには農業を放棄せざるを得なるのが現状ではないかと思われます。
ある農業雑誌を見ていましたら、この耕作放棄地の記載がありましたので、
それを追ってみることにしました。


ここにはドイツの耕作放棄地の実態調査レポートが載っています。
「耕作放棄地はマイナスの意味を持つ言葉です。しかし、こうした放棄地に対し
 『荒れている』という烙印はどう努力しても納得できない」と。
耕作放棄地が『荒れていない』ということはどういうことなのでしょうか?
調査の結果、絶滅が心配されている種類を含む様々な動植物の生息を、
可能にしていたというのです。


日本でも放棄地の調査が実施され、ドイツと同じ結果が得られました。
休耕田には、田んぼに依存したさまざまな動植物が棲息、繁茂していたのです。


近年、耕作地や水田は、機械や化学肥料や農薬の導入によって、
国を始め、化学の活用や大型機械にたよる大規模農業化と省エネ化を推奨してきました。
そして稲刈りの時期には、大型機械を田んぼに持ち込むために水を干してしまいます。
水を田に入れることは、翌年の田植えの時期まで行いません。田起こしの効率化のためです。
除草や害虫駆除のための農薬散布や化学肥料の施肥、田んぼを干しあげることから、
従来目にしていた田んぼの生きものは、ほとんど見ることがなくなりました。
ある田んぼを見に行ったとき、草1本生えていない青々とした田んぼが、
広がっていました。それが誇りだともいっているようでした。美しすぎる田んぼ。
そうした現状が、生きものの棲みにくい田んぼにしているのでしょう。