「イオン液体」-2(パワーアップと安全性)


従来の液体ではできなかったことがイオン液体でできるようになります。
身の回りの電化製品、例えばパソコンとかケイタイとかスマホなどの電池が、

パワーアップされます。
現在繰り返し使える電池の代表がリチウム電池です。
その仕組みは、電極からリチウムがイオンとなって飛び出す電子が、
反対側の電極に移動することで電気が発生します。
この際重要な役割を果たすのが、リチウムイオンが移動する電解液という液体です。
現在電解液に使われているのは有機溶媒ですが、燃えやすいという欠点があります。
誤った方法で充電をし過ぎたり、

外部から強い衝撃を与えたりすると発火することもあるからです。


次世代エネルギーを専門に研究している関西大の石川さんは、
リチウム電池の安全性を高めるために研究していたのがイオン液体でした。
イオン液体は有機溶媒と比較すると燃えにくいという特徴があります。
イオン同士が適度に引き合っているので液体の状態から蒸発が起きないためです。
液体が燃えるというのは、液体そのものが燃えるのではなく、

そこから原発生するガスが燃えるのです。
ガスがでないので引火しないし、安全だということです。


1997年、石川さんは有機溶媒の代わりに、

イオン液体を使ったリチウム電池の開発をはじめました。
まず使ったのは「1エチル3メチル イミダゾリウム」という陽イオンと、
「ビストリフルオロメチルスルホニルアミド」という陰イオンを組み合わせた液体でした。
ところが電気は全く発生しませんでした。
イオン液体はイオンからなる液体ですから、大量の陽イオンと陰イオンが存在します。
陽イオンのリチウムが陰イオンに引き付けられたために、
自由に動き回ることができなかったためでした。
そこで石川さんは、試行錯誤の末、これを解決し、耐久性の高いリチウム電池を開発したのです。