「日本人って進化してないの~?」-2(終)(Y染色体が語るもの)
今この仮説が実証されつつあります。
国立科学博物館で人類の起源などを研究している神沢さんです。
神沢さんは、福島県の貝塚から発見された縄文人の歯からDNAを導き出しました。
その分析結果を斉藤教授の座標軸に重ねてみると、仮設通り、
日本人の分布する(沖縄グループ、アイヌブループ)先に、
縄文人のDNAが座標上に位置することがわかりました。
今回の縄文人の歯によるDNAの分析によって、
現代人に縄文DNAが受け継がれていることが見えてきました。
日本人と東アジア人と違うということはどういうことなのでしょうか?
その元となるものとして男性だけにあるY染色体を調べた結果明らかになってきたのです。
Y染色体というのは、父親から息子に引き継がれていくのが特徴です。
その変化をたどっていくということは、男性の祖先をたどるということです。
世界中で調査された結果、男性は古い祖先から次々に分かれて来て、
世界中にはAからTまで(古いタイプから新しいタイプ)20のタイプがあることがわかっています。
このうちAのように古いタイプは、人類の誕生の地とされるアフリカに多いのですが、
日本にも古い「D」というタイプの人がいることがわかっています。
徳島大の佐藤さんは、遺伝的な病気研究の一環として、
2000人以上の日本人のY染色体を調べてきました。
それによると日本人の半数は中国や韓国で多数を占める「O」というタイプでしたが、
それに次いで多いのは「D」で3割を占めました。
「D」タイプは、中国や韓国ではほとんど見られないようです。
Dのタイプは分岐の早い時期に誕生したタイプなので縄文系と考えられます。
日本に古くから住んでいた縄文人を「D」タイプ、
近年大陸からやって来た弥生系の人を「O」タイプとすると、つじつまが合うといいます。
「D」というタイプでは、大変興味深いことがわかってきました。
それは世界で2ヶ所で「D」タイプを持つ男性がいるということがわかったのです。
それがチベットとインド洋のアンダマン諸島です。「D」タイプのお父さんをさかのぼっていくと、
チベットやアンダマン諸島の共通のお父さんに会えるかもしれません。
アジア大陸にも「D」タイプの人はたくさんいたでしょうけれど、
「O」タイプがアジアを占めるようになると取って代わってしまったと考えられます。
日本やチベット、アンダマン諸島は、島国だったり山間部に属すために、
他のタイプとの交流が制限されているからだと考えられています。
日本人のルーツもDNA解析によってますます明らかになっていくのでしょう。
(おわり)
