「津波から助けられたドイツ人一家」(Ⅴ)


こうしてヨハンナさん一家は、日本人との奇跡的な出会いでドイツへ無事帰ることができました。
このニュースは、ドイツ中に広まりました。
そして、ヨハンナさん一家はドイツのテレビに出演します。
番組はこの奇跡を伝えると同時に東日本大震災の復興支援の、
寄付をつのるためのものでもありました。
そして、司会者はひとりの日本人ゲストをしょうかいします。
その人こそ、タクシーが津波にのみこまれ、フェンスにしがみつき、
力つきて流されそうになったお母さんのアンゲラさんを助け、
アパートの部屋で一晩中はげましてくれた、あの庄司さんでした。
家族にとってあの日以来の再会でした。


ヨハンナさんは、結婚式をあげました。
こうしてお父さん、お母さんにウェディングドレス姿を見せることができたのも、
あの信じがたい名もなき日本人たちのおかげですとはなします。


日本人はおとなしいといいますが、そんなことはありません。
ひげきがおきたとき、日本人は助け合い、行動的になります。
そのことを私たちは日本人から教わりました。
「ガンバッテッ!」そのことばは日本人のいのりでした。
ヨーロッパの人やアメリカの人たちはかたをたたくだけですが、
日本人は心の底からでる、私たちにはできないすごい気持ちなのです。
庄司さんはいいます。「普通のことをしただけで、だれもがすることです」と。
「けっして自分の損得をかえりみず、ひとりひとりが強く正しい行動ができる。
 日本人が気づかない大きな力を持っているのです」とヨハンナさんはそうお話しました。


(終り)