「切羽詰まると遺伝子はオンする」


「難しそうでも、まず一つでも二つでも頑張ってみる」というのが今日のテーマである。
大ピンチに直面した時、どうしてよいか分からなくなる。
そのピンチはそう簡単には乗り越えられないものである。

そうなるとマイナス思考にはまってしまう。
そういう時は、最初の一つか二つだけをやればいいと決めてしまうことだという。
一つか二つを一生懸命やれば、後は「サムシング・グレート」が必ずあってくれると、
開き直ってしまえばよいと述べている。
著者は何度も言うようにレニンの第一人者だが、腎臓で作られるレニンは、
含有量も少なく不安定な物質で研究者泣かせの酵素だったという。
レニンを取りだすのは至難の業で、それが大きな壁になった。
研究者チームは悪戦苦闘の末、オトリを使ってレニンを引き寄せる画期的な方法を発案した。
しかし、オトリが何であるかが分からない。
オトリ探しだけで1年半が過ぎた。あきらめかけた時に日本人が持ち込んだ物質がある。
その物質はオトリのためのものではなかったが、試してみるとこれが見事オトリに的中した。
それを人は「偶然」というが、著者は「一つ二つ頑張れば、

後はサムシング・グレートが助けてくれる」と感じたという。
すべてが自分だけでできなくても、最初に努力する人には、

見えない力が働くものだと述べている。


「切羽詰まった状態が遺伝子オンを導く」ものだと著者は語る。
レニン研究の背景をサムシング・グレートが働いたとしか思えない、偶然の成果と思う一方で、
もうひとつ重要な背景が関係したと述べている。
それは切羽詰まった状況をあげている。
二度目の渡米で酵素・レインの研究を始めたが、

当時アメリカはベトナム戦争で研究費も圧迫されていた。
業績が上がらなければ、いつでも首にされる運命と、

レニンを取りだせない二重のピンチが襲っていた。
著者は二重の切羽詰まった状況に追い込まれていたのである。
しかし著者は述べている。そうした二重苦の中で自分の遺伝子はオンし、
オトリ発見というサムシング・グレートに助けられたのだろうと語っている。
ピンチは人をマイナス思考に陥れる。
しかし、せめて最初の一つ二つだけでも一生懸命やろうと頑張ると、

結果は大きな成果につなるのだと。