「たわわに実った一万数千個のトマト」
今日のテーマは「土から解放され、たわわに実った一万数千個のトマト」である。
今から30年ほど前に「科学万博筑波」で公開されたトマトの話しである。
たった1株に一万数千個の実を付けたトマトが展示された。
確か話題になったことが記憶にある。
これを開発したのは、野沢重雄氏という方で「ハイポニカ農法」と名付けられている。
野菜のみならず植物は土とは切っても切れない関係にあるとは誰もが思うことである。
だが氏は植物の生命力に限りがあるのは、土のせいではないかと考えたという。
つまり土で育てている以上、土の制約から逃れられないのではと。
土の制約とは、空気を吸収することが難しい。
我々が学んできたことは、団粒土壌といって荒い土に植えて、
空気の流通を計ろうというものだった。
しかし氏は、土が根の成長を妨げているのではないか考え、
太陽の光と水だけで育てることにしたのである。
光、水、温度、それに肥料濃度を試行錯誤して、トマトにとって最高の環境を作り出した。
その結果として、1株に一万数千個の実を付けた信じがたいトマトが育ったのである。
その野沢さんは、人間の心を次のように述べているという。
「人間の場合、心の持ち方いかんが環境になっている。幸福であることも健康であることも、
心に宿す環境次第で良くも悪くもなる。
環境の良否で人は左右されてしまうものである」と述べる。
まず”ありがたい”と感謝することで見方が変わり、深刻な思いからも解放される。
人間にとって環境とは、空気や水の汚染や騒音といった物質的なものだけでなく、
精神的な作用もまた環境因子であり、
人間のものの見方や考え方にも大いに関係があるといっている。
