松村side


今日は1日中映画の撮影があり、それが終わるのは深夜0時過ぎになる


その次の日も早朝に起きて夜遅く帰るという日々が続いており中々メンバーに会えない


ドラマ版の撮影も同時進行していて、マネージャーにお願いして生ちゃんの様子を見に行く事にした



原作通りのビジュアルに少し感動しつつ、しっかりと自分の眼に焼き付けよう




「生ちゃん、やっほ~」



「さゆりん!」



「寂しいから会いに来ちゃった」



「可愛い〜!ありがと、嬉しい」



「いっぱい写真とろ?」



「うん!」



「今日乃木中あるけど生ちゃんも来るん?」



「そうだよ」




「ほな、一緒に行かへん?」



「良いけど後1時間くらいあるけどいいの?」



「生ちゃんと一緒じゃ無かったら嫌やもん…だめ?」



「だめじゃないけど……」



「ほな向こうで待っとる」



今日は生ちゃんと一緒だっ…久しぶりに皆に会える。そう考えただけで気分が浮かれる




人はどうやら楽しいことが待っていると時間の感覚が狂うらしくあっという間に1時間が経った




「さゆりん、おまたせ~」



「ううん、ほな行くで!」



「ちょ、そんなに急がなくてもいいじゃんかぁ!」




なんか生ちゃんから断末魔みたいなコエがしたけどこんな事はお構いなしに、バスに向かって走り出した






生ちゃんと話しながら楽屋に入ると皆大集合してた



「おっ、相変わらずからあげ姉妹仲良いねぇ」



「まっちゅん、久しぶり〜。映画楽しみにしてるね」



「やっと会えたね笑」



「うぅっ…会いたかったよ〜!!」



「泣かないでぇ〜」



「よしよし」ヾ( ´д`*)ナデナデ




かずみんや真夏達がティッシュを持ってきてくれたり慰めてくれた。皆優しすぎてもっと涙が出てくる



「収録始まっちゃうよ」



「早く涙止めて笑」



何とかギリギリ収録が始まるまで涙を止めることに成功した。その日の収録は、楽しくていつの間にか終わっていた



今日は早めに帰れそうだ…心軽やかに、家に帰るとまいちゃんがご飯を作ってくれていた


「ただいま」



「おかえりなさい、」



「今日唐揚げなん?」



「そうだよ〜」



「やったぁ!めっちゃええ匂いする…」



「匂い嗅ぐ前に先ずはお手て洗ってきて」



「はぁい…」



お腹が空きすぎて音がなり続ける。良い匂いに釣られて、思わずヨダレが出てきてしまう



「まいちゃん、うちも手伝う」



「ありがと…じゃご飯二人分入れて。後冷蔵庫にポテトサラダ出来てるから出しておいてくれる?」



「分かった」



流石乃木坂1料理が上手いまいちゃん。彩り豊かな食事がデーブルによせる



「まいちゃんも忙しいのに作ってくれてホンマにありがとう」



「ううん、さゆりちゃんに比べたら全然忙しくなんかないよ。美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるんだよねぇ〜」



「勝手に体が動いちゃう…お箸が止まらないの」



大皿にたんまりと盛られた唐揚げとポテトサラダは、あっという間に無くなっていった



「さゆりちゃん、そんなに急いで食べなくても逃げないからね?笑」



「分かってるって…」



10分もすれば全ての料理は無くなっていた



「ふぅ…食った食った」



お腹もいっぱいになって、ソファーに寝転がってゴロゴロしているとまいちゃんが不貞腐れているではないか…



「どうしたの、まいちゃん。さっきから不貞腐れて」



「不貞腐れてなんかないもん…」



「じゃなんで私の隣に座らないの?」



「今はそんな気分じゃない」



そんなにプリプリしちゃったら抱き付いたり出来ないやんかぁ…



「はいっ、捕まえたぁ」



「っ…離してよ、」



「なんか私まいちゃんに気に障るような事した?」



「……言いたくない」



「お願いや、ちゃんと直したいし…」



「…した」



「……へ?」



「ぅぐ……だからっ、嫉妬した…」



「な、なんで?」



「他のメンバーとかとイチャイチャしてたし……私という彼女がいるにも関わらずさゆりちゃんは笑顔振りまいてて、嫉妬……した」



「ご、ごめん…まいちゃんがそんな怒っとるなんて知らんかって…」




「さゆりちゃんは私の事…本当に好き?」



「も、勿論や!」



「ねぇ…さゆりちゃん」



「ちょ…近くない?まいちゃん」




「可愛い可愛いさゆりちゃんに変な虫がつかない様にしなきゃ…ねっ?」



「まいちゃ…んっ…」



「普段は私が下だけどさ〜……たまにはいいよね?」




「明日仕事やからっ…」




「そんなの関係ない…安心して?支障をあんまり出ないようにするから」



それから私が最後に見た記憶は、不敵な笑みを見せたまいちゃん……いや、黒石さんが私を見下ろしていた








「あちゃぁ…派手にやられてるね」



「かずみん、どないしよ?」



「私に聞かれても…ねぇ?」



「松、どうしたの?」



「あすは見ちゃだめ」



「え?なんでよ」



「あすには刺激が強過ぎる」



「もう立派な大人ですけど!?」



「だめ〜」



「ちぇっ…いいもん、みなみに聞くもん」



「ぁ、あす〜!!」




まぁ…ええっか、後でメイク隠さなきゃ




歌収録が終わった時美月達がこっちに来た




「あの…松村さん」



「ん?どないしたん?」



「うなじにキスマークありますよ…」



「えっ!?」



「バッチリついちゃってます…」



「今日ヘアスタイルがお団子なのでめちゃくちゃ目立ってて…」



「言おうか迷ってたんですけど…」



「言ってくれてありがとうな…」




ぅう…まいちゃんのバカぁああ"あ"!!!!!




終わり