坂口side
「…珠美、機嫌悪いね…」
「…別に」
「何年一緒に居ると思ってるの、それくらい分かるって」
「葉月……」
「原因はあの二人でしょ?」
「うん…」
あの二人とは、桃子と蓮加。さっきからずっとイチャイチャイチャイチャしてる。私と蓮加は付き合っているのにも関わらず、桃子とばっかり居る……
「珠美って、影薄いもんね…」
「そうなんだよね…薄すぎて困ってる」
「そんなに心配しなくてもいいんじゃない?大丈夫だって…」
「蓮加は色々な人に抱き付いたりしてるもん。みり愛さんとか、純奈さんとか……」
「ぇ…ちょ、泣くなって」
「ぅう…もう私のこと嫌いになったんだよ…」
「ぇえ~……梅ちゃん、どうしよ?」
「私に聞かれてもねぇ~」
「蓮加なんか知らないっ…」
「ぁあ…拗ねちゃった」
「蓮加はバカだねぇ、彼女放っておいて」
手を繋いだり、一緒に帰ったりしなくなっていた。お互い仕事が忙しくて、時間が取れなくなっている
多分それもあるんだろう……蓮加の温もりが欲しい。もっと、触れていたいのに……
「珠美~」
「……ムスッ(。˘•ε•˘。)」
「何拗ねてんの?」
「…もぉ、蓮加のバカ!」
積もりに積もった鬱憤が一気に弾き飛んだ……これ以上喋ると泣いてしまいそうだったから、楽屋から飛び出した…
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蓮加side
「…ぇ、何」
「蓮加のバカ…謝りに行ってきな」
「私なにかした?」
「自覚ないの?さっきからずっと桃子とイチャイチャしてたじゃん」
「それは、いつもの事だし…」
「それ以外にもあるでしょ?」
よくよく考えてみると、最近珠美と話したりする事が減ったし……ハグもキスも…少なくなっていると思う
「私…珠美のところに行ってくる」
「早く仲直りしてきてよ~」
珠美は優しいから、分かってくれていると勝手に思っていたばっかりに傷付けてしまった……私ホントダメな恋人だ
「…っぅう……ぐすっ……」
「珠美…こっち見て」
「……やだ」
「…珠美」
優しく声を掛けるとやっと顔を見せてくれた。泣いたから目が腫れているし、可愛い顔が台無しになってしまうくらいぐしゃぐしゃ…
「ごめんね、構えなくて…」
「バカ…あほ蓮加…」
「本当にごめんね…」
「私がどれだけ寂しい思いしてるか…」
「嫉妬……してくれたの?」
「…ぅん…した」
「これからは、ちゃんと構うから…」
「…当たり前…ハグとかチュ~もしたい」
「うん…」
「一緒にいたい…」
「ずっと、一緒だよ…」
あまりに可愛くて思わず抱き付いた。嫌がやれることは無かったから、腕に力を入れる
「…苦しいよ…力強すぎ」
「じゃ離れる?」
少し意地悪な問いかけだったかな?頬をこれでもかと膨らませて、こっちを睨んでくる
その可愛らしい頬っぺたにキスしてしまいそうなのを必死に我慢しながら…返答を待つ
「……だめ、離れたら」
「ふふっ…分かった」
「ねぇ、美波……二人遅くない?」
「だね…流石に遅すぎるね」
「もしかして…帰って来たらお説教タイム?」
「いつもなら、お説教タイムだけど……まぁ、今回は見逃してあげよっか」
「あら、珍しい…」
「いつも私が説教しているみたいになるじゃんか…」
「だって…嘘はついてないよ?」
「葉月…ちょっと来て?大好きなお説教タイムの始まりだよ…」
「嫌ぁぁぁあ"あ"あ"…」
その頃、二人の様子とは………
「珠美、可愛いね…」
「んっ…ちょ、ここでチュ~したらだめだって…」
「いいでしょ?誰もいないんだし…」
「……そうだけど」
「まぁ…この続きは、家でね?」
「…っ、うん//」
甘い空気が駄々漏れな二人であったとさ
完結