史緒里side
“山下美月1st写真集発売決定”…そう美月から聞いた時は嬉しくもあり少し複雑な気分(´・ω・`;)
本人は、喜んでいたから付き合っている身としては応援してあげないとな…
「美月…写真集おめでとう」
「ありがとう~史緒里!!」
「_:( _ ́ཫ`):_グヘェ…死んじゃう…ぐるじぃ」
「( ゚д゚)ハッ!ご、ごめん…嬉しくてつい」
「抱きついてくれるのは嬉しいけど…あまり強くしないでよね」
「うん!分かったぁ~!」
有難い事に、二人とも個人仕事が増え中々お互いの休みが被らない…
同棲してはいるが、すれ違う毎日…
「美月…もう行っちゃうんだ」
「一週間待てばすぐに会いに行くよ…」
「…いってらっしゃいのキスは?」
すると、少し顔を赤らめて美月の顔が近付いてくる…目を瞑ると、頬っぺたに柔らかな感触が
「頬っぺで我慢してね…これ以上我慢出来ないから」
一体何回私の心をドキッとさせれば気が済むんだよ…寿命が縮んじゃう
美月の姿を見送った後は、個人仕事が待っている…最近では、バラエティー番組等に出演する機会が増えた。更に、音楽番組や乃木坂工事中の収録など
目まぐるしく時は過ぎていった…仕事が終わり家に帰るといつもいる美月がそこにいない。それだけで、嫌になる
私の話を沢山聞いてくれる人が傍にいない…
「また…微熱だ」
美月がパリに行ってから体調が悪くなったと思う…ずっと頭の中がクラクラする、だんだんイライラしてきた
「史緒里、おはよう…」
「…おはよ、与田ちゃん」
「そういえば、もうそろそろ美月が帰ってくるね~」
「そう…だね」
もう、一週間経ったんだ…時が過ぎるのは早いそう思っていると、勢い良く楽屋の扉が開いた
「史緒里ぃいい~~!!」
「グフッ─!久しぶり……」
よりによって体調が悪いときに帰って来た…
「もぉ~会いたかったよ~」
「美月…ちょっと体調悪いから寝させてくれない?」
自分でも驚くぐらい低い声が出たらしい…周りのメンバーも驚いて目線が私達に集中した
「…っ、ごめん」
美月が離れたのを確認して、机の上に頭を預けた…
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美月side
写真集の為パリに一週間程滞在していた…一週間、愛しい愛しい史緒里に会えないなんて心苦しい
電話をしようと思ったけど、時差の関係や時間の都合上する事が出来なかった…
「史緒里ぃ~会いたいよぉ」
日本に帰ってきても史緒里に会えず゛私の願いも虚しく、写真集の宣伝や成人式等メディア関係の仕事が増加した…
「史緒里…おはよう」
「っん…はよ」
「仕事行ってくるね、ご飯机の上に置いてるからちゃんと食べるんだよ?」
「もぅ、行っちゃうの?」
「ごめんね…」
「最近…一緒にご飯食べてないね…こんな生活同棲前と同じじゃん…」
「それは…」
「分かってる…お互い仕事があって中々休み会わないもんね」
「……っ」
どうしたの?史緒里……何だかいつもの史緒里じゃない。史緒里の姿をした別人みたいだ
こんな冷たい声するなんて…戸惑いつつ、史緒里の素っ気なさに段々イラッとしてしまった
「私だって…史緒理と一緒に居たいよ!でも仕事が忙しいんだからしょうがないじゃない!」
「こんな事になるんだったら…いっそ“同棲なんか”やめてしまえば良かった…」
“同棲なんか…?”史緒理が放った言葉を直ぐには理解出来なった…あまりにも深く心に突き刺さったのだ
グファッ(˙Σ˙((👋(・A・💢)
気がつけば史緒理にビンタをしていた…
「…ッ!」
「同棲なんかって…何?史緒理はもう…私の事なんか嫌いになった訳?」
「………」
「史緒里が何考えているのか分かんないよ…」
ガチャ!
そう史緒里に言い残し、私は部屋から出た…
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美月side
あれから、史緒里の部屋には行っていない…目も合わせていないし勿論一言も喋ってはいない
「ねぇ…美月」
「ん?どうしたの、祐希」
「最近史緒里仕事来れなくなってるね…美月何か知らない?同棲してるんでしょ?」
「今は色々あって…ね」
「早く仲直りしなよ?」
「うん…」
そうは思っていても、中々素直になれない私の性格が許していない…
パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)
「美月ちゃん…心ここにあらずみたいな顔してるよ。今撮影中だから、集中して」
「はい!すみません…」
不安な表情をしてはしないつもりだったのだがカメラマンさんに気付かれてしまったようだ
「10分間休憩しよう…美月ちゃんはそれまでに気持ち作って戻って来て」
「はい……」
ダメダメだなぁ~
楽屋に1人で居ると急に扉が開いた…
「美月~」
「松村さん…」
「大丈夫?美月らしくないやん」
「ちょっと色々あって…」
「そっかぁ~私で良かったら話聞くで?」
「それじゃ、お言葉に甘えて…もしも白石さんと喧嘩したらどう仲直りしますか?」
「まいちゃんと喧嘩したら、直ぐに謝るよ。そして、いっぱいギュ~して離れていた時間を埋めるの」
「素直に…ですか?」
「せやで?喧嘩するってことはお互いが好きやから出来る事や…喧嘩をする分仲も深まるちゅうことや」
「素直に謝れないんです…どうしたらいいんですか?」
「多分史緒里ちゃんとやろ?喧嘩しとるん」
「はい…何で松村さんが」
「二人は似てるからなぁ~色々…波長が合うからお互いが甘えれると思うし、ピシッと決める所は決める。喧嘩が出来るのはお互いがプロ意識をちゃんと持っているから出来る事やで」
「…はい」
「まぁ…二人とも個人仕事で忙しくてすれ違ったんやろうなぁ~まいちゃんと喧嘩した時もそうだったし」
「松村さんみたいに出来たらいいのに…」
「私も昔は、素直に謝れんかったんやで?でも、まいちゃんの悲しんだ顔がずっと忘れなれなくて…もうそんな顔見たくなかったから勇気出して謝ったんや。うちでも、出来たんやから美月にも出来るわ」
「はい…ありがとうございます」
「美月は自覚してないみたいやけど…撮影中ず~っと史緒里…って言ってたで笑笑」
「ぇ?!」
「自覚無しか笑笑…そろそろ謝らんとな、美月も勇気出して…きっと許してもらえるよ」
「はい!…松村さんのおかげで謝れそうです」
「ほな、撮影も頑張ってもらわんとな笑笑…行くで美月」
「はい!」
松村さんに相談して良かった…心のモヤがすっかり晴れた
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CanCamの表紙の撮影終了後、久しぶりに史緒里に電話をしようとすると…祐希から電話がきていた
「もしもし?祐希…どうしたの?」
「もしもし!史緒里のこと知ってる!?」
「ぇ!?…知らないけどどうかしたの?」
「史緒里がね……倒れて、寝込んでるの!」
「場所は…?!」
「ええっと…レッスン室の隣の部屋で寝てる。点滴打って安静にしていたら大丈夫だって」
「分かった、今からそっち向かう!!」
「ぇ、今から!?…もう夜遅いよぉ~!って切れちゃった」
史緒里が倒れた……史緒里が元から体が弱いことは誰よりも知っている。ごめん、私のせいだ…そのせいで史緒里は体調を崩して倒れたんだ
カチャ…
「葉月…何でここに」
「何でって…史緒里が起きるまで看病してあげようって祐希から皆に連絡があったの。今日、仕事が無いメンバーと交代交代で」
「そう…なんだ」
「でも、私の出番はこれで終わり。美月…史緒里のこと頼んだよ?」
「うん、任せてて…」
ベットで寝ている史緒里に目を向けると…明らかに顔色が悪い。しかも…ちょっと痩せた?
「ごめん…史緒里、頬っぺ叩いて…早く良くなってよ。そうしたら、何処か旅行に行こうね」
ごめんね…史緒里、もうこんな辛い思いさせないから
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史緒里side
目を覚ますと、体のだるさも無くなりすっかり体調も良くなった…
「美月…?」
寝てる…昨日は撮影で楽屋にも来て居なかったのに…誰か聞いてみよう
「もしもし…祐希、美月が何故かいるんだけど知っている?」
「ぁあ…実は、撮影後史緒里が倒れて寝てるって言ったら今からそっち向かうってうるさくって…葉月と交代してずっと史緒里のこと看病してたんだよ?」
「そうだったんだ…」
「起きたら、仲直りするんだぞ~じゃあね」
「祐希…」
美月にブランケットを掛け、目を覚ますまで体を休めていると
「っん…史緒里?」
「美月!……ごめん、今までワガママ言って」
美月が起きるなり私は無我夢中にハグをした…逃げられないように
「私こそ…殴ったりしてごめん、、、、」
「気にしないで、美月…もうワガママなんか言わないから許して。もう一回やり直そ?」
「うん…もう一回やり直そう」
「それじゃ、荷物移動しなきゃ」
「手伝うよ…」
「ありがと…史緒里」チュ
「…っ、ここでしないでよバカ美月…///」
「…ここでするなってことは…ԅ( ิټ ิԅ)グヘヘヘエッチ発言ありがとうございます~!」
「この変態~!」(ノ”>ω<)ノ”ポカポカ
「いや~ん、逃げろ૧(๑⃙⃘¯⁃¯๑⃙⃘૧)_̄͞💨」
素直に謝ったあの日から私達はより一層仲が深まった…
「松村さんが言っていた通りだな」
「え?」
「喧嘩した後は、仲直りしてギュ~したら仲が深まるって言ってた…」
「ふぅ~ん…」
(*˘ ³(・ω・๑) ギュウ ♡
珍しく私から美月に抱きついてみた…すると、美月が言った
「はぁ~可愛い!」
可愛いだけかよ…可愛いより綺麗になったって言われるように頑張らないとなぁ~
こんな不器用な私だけど末永く宜しくね美月…
終わり!