卵高い


『白ゆき姫殺人事件』を読んだ。著者:湊かなえ。

『月魚』を除いて、好きなもの(表紙が緑)ばかり読んできたけれど、ここにきてミステリーを、かつ聞いたことのある作品に手を出してみた。



集英社公式HPより


「化粧品会社の美人社員が黒焦げの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は加熱する一方。匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。」



容疑者である城野と関わりのある証言者の発言のみで進んでいく。彼女を庇うも晒すも、過去を主観で、憶測で語る言葉は枯葉より脆く、信憑性などまるでない。そして聞き手は趣味嗜好が先行したフリーライターときた。1人、また1人と証言者が増える度に、等身大の城野は埋もれていく。手元にあるのはそんな証言だけなので、粗探しをできるはずもなく、否が応でもその様子を見守ることしかできない。


その想いは思い込みなのだろうか。その思いやりは傍迷惑なのだろうか。不要かつ、必要な自問を

一つ覚えた。杞憂に終われば良いのだが。