セイバーとランサーの真剣勝負から始まった第四次聖杯戦争だったが、戦いは決して2人だけのものではなかった。多数の思惑が交錯する中、高みの見物を決め込んでいたライダーは、闘いの行方を見届ける事を止め乱入という形を選んだ。二匹の神牛「飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)」に牽かれる戦車「神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)」に操り、魔術師であるウェイバーの制止も聞かない征服王イスカンダルは、自ら真名を明らかにした。予期せぬ乱入に驚きを隠せない2人に対して、更なる驚きの提案を行った。
「うぬらは我が軍門に下り、世に聖杯を譲る気はないか?」よほど自分の実力を過信しているのか定かではないが、大真面目にいきなり軍門に下れと要求したのだ。しかも、再び世界を征服すると豪語した上で、盟友として共に戦う同志になれなどと、とても調子の良い事を言い出す始末。流石に名高き英霊であるセイバーことアーサー王、ランサーことディルムッド・オディナが、首を縦に振るはずも無い。「その提案には承諾しかねる。俺が聖杯を捧げるのは、今生にて誓いを交わした新たなる君主のみ。断じて貴様ではないぞランサー」「そんな戯言を言う為に私とランサーの勝負を邪魔立てしたのか?騎士として許し難い侮辱だ。重ねて言うなら、私も1人の王としてブリテン國(イギリス)を預かる身!臣下に下るわけには行かない。」
それぞれ立場は違うが、流石は聖杯戦争に選ばれた英霊は、己の戦いに誇りを持ち決して臣下に下るなどという者は、少なくてもランサー・セイバーではなかった。そして征服王はセイバーこそ騎士王である事を知った。「あーあ残念だなあ交渉決裂か。」本気に残念がるライダーだが、自分の意思を無視しての行動にウェイバーは頭に血が上っていた。頭に血が上ったのは、戦いと自らの過去を侮辱された2人の英霊も同様だった。(まさかの配下になれ発言にはビックリしました。しかし、戦いを見てそこまで言うのだからライダーだって、バカで大王までになる事は出来なかったでしょうが、ある程度首を縦に振ると思ったはず。しかし、流石は名高き英霊、私利私欲には走らなかった。)
ケイネスを狙っていた切嗣もライダーの真名を聞き、征服王のバカさにうんざりすると、ウェイバーに向けて既知の人物からの声が聞こえて来た。「そうかよりにもよって貴様か?何を血迷って私の聖遺物を盗み出したかと思えば、君自らが聖杯戦争に参加すると腹だったとはね、ウェイバーベルベット君?君には私自ら課外授業を行うよ。魔術師同士が殺し合う恐怖と苦痛を余す所無く教えてあげよう。」現れたのは血筋により魔術師の能力が決すると豪語し、ウェイバーの論文を完全否定した時計塔の講師だった。ケイネス自ら制裁を加えようとする事を知り、ウェイバーは頭を抱え恐怖に怯えた。しかし、ライダーが笑顔で背中を叩くと、ケイネスを否定する言葉を浴びせかけた。
「姿を晒さない臆病者など、役者不足もはなはだしい。」プライドの高いケイネスには、これ以上無い屈辱的な思いを抱かされた。更にランサーは、ケイネス同様隠れているサーヴァントと魔術師の存在に気付いていた。そう感じた理由は、セイバーとランサーの真っ向勝負に導かれたのが、自分だけだとは思っていないから。「聖杯に導かれし英霊は、ここに集うがいい。尚、応じに従わない臆病者は、征服王イスカンダルの侮蔑(見下す事)を免れぬと知れ。」ライダーの咆哮は、夜の倉庫街に響き渡ると、戦いの行方を見守っていた時臣と綺礼は、思い通りにならなくなったと感じていた。(まさにライダーこと征服王のオンステージ!彼の大胆で豪快な生き方は、身体だけではなく態度も具現化していました。ケイネスの悔しそうな顔がもの凄くスッキリさせてくれたのですが、2人がまずいと思ったのは何だったのでしょうかね?やっぱり登場するはずの無いギル様の登場が予想されたからでしょうか?)
王を名乗る人物が2人現れた!自らが絶対の王だと自負するギルガメッシュことアーチャーにとっては、とても許せる状況でなく、「まさか王を名乗る不埒者が、一夜に2匹も現れるとはな!真の王たるは俺のみ!後は有象無象の雑種に過ぎん。俺が名乗るだと?面貌も知らぬ奴など生かしておく価値すら無い!」ただ1人の王が、他人に指図される名前を名乗れなど、顔も知らない奴に言われるのは、生きる価値すら無いなどと傍若無人な態度を取り、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から武器が振り下ろされようとしていた。
ライダーはアサシンを消滅させたのがアーチャーである事を知り、セイバーも危機を察知してアイリスフィールの身を守ろうとした。そして、振りかざされようとした時、もう1人の魔術師が「殺せ」と一言命じて、身を潜めていたサーヴァントが登場した。狂戦士バーサーカーの器を与えられたサーヴァントは、全身を黒く覆いウェイバーがパロメーターを調べようとしても、己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)の影響により正体がわからぬよう、パロメーターも全く測定出来なかった。(いろいろ隠れていましたね。皆大好き雁夜おじさんまで登場したわけですけど、誰を殺そうとしたのか?やっぱり恨みを持つ時臣のサーヴァントアーチャーでしょうけど。あのギル様を倒すなんて出来ないと思いますよ。ただ宝具が厄介なんですよね。)
4人のサーヴァントが睨み合いっている状況下で、特にバーサーカーの宝具は、素性を幻惑させる能力を秘めている。迂闊に攻撃を仕掛けるわけにはいかなくなった。一方、ケイネスを暗殺しようと考えていた切嗣だが、アサシンの存在に気付きターゲットを雁夜にチェンジした。混沌にサーヴァントを送り込む人物は、魔術師としておかしい。早く始末した方がいいという結論に至ったからだ。「誰の許しを得て俺を見ている狂犬?せめて散り様で俺を興じさせよ雑種。」睨みつけるバーサーカーに嫌気が差したアーチャーは、最初のターゲットに選び攻撃を仕掛けた。
しかし、理性を失っている存在のはずのバーサーカーは、並みの戦士ではなかった。その様子をライダーはしっかりと見ていた。剣を掴み取り、2本目の槍を打ち払う。能力は簡単に倒されたアサシンとは比べ物にならなかった。最初の攻撃を打ち払われ怒るアーチャーは、ついに数え切れないほどの武器を浴びせかけた。無数に飛び交う武器をバーサーカーは、奪い取った剣を駆使して払い除けると逆にアーチャーに自分の武器で攻撃を仕掛けた。バーサーカーのスキルは、相手の宝具を奪い取り己の宝具として利用できる事。思わぬ反撃を食らったアーチャーは、見下していた電灯から同じステージに降り立った。それは見下していた雑種と同じ目線になる事を意味し、ただ1人の王だと自負する当人には屈辱でしかなかった。(いろいろな特殊能力を持っているのですね。そうなるとより大切なのは、魔術師とサーヴァントの相性のよさと相性の悪い相手と戦う場合の戦略でしょう。また引き出しの多さも重要ですね。引き出しをすぐに曝け出したら、そうなる前にやっつけるなどの対策を練られるはず。)
「もはや一片の肉片も残さぬぞ雑種が!」更に宝具をあらわにして攻撃しようとするアーチャーだが、綺礼がその情報を時臣に伝えると「軽率」だと判断し、絶対遵守の力を持つ令呪の力で暴走を食い止めようと試みた。「英雄王よ怒りを静めて撤退を!」下されたのは撤退命令。他のサーヴァントがいる中での武器使用は不利だと考えたからだ。「大きく出たな時臣、命拾いをしたな狂犬よ。そして有象無象を間引いておけ雑種ども。俺と戦うのは真の英雄のみ!」さしもの英雄王も令呪の力には従うしかない。令呪は魔術師が3度許されるサーヴァントを絶対に従わせる権利なのだ。(最後まで上から目線のギル様ですが、単独行動のスキルがあるとはいえ流石に手の内を見せるのは、時臣さんもまずいと判断したのでしょう。勝てば問題ないですけど、あのバーサーカーは強敵ですから。冷静な判断だったと思います。)
アーチャーが撤退し、サーヴァントは4人となった。すると今度はバーサーカーは雄たけびを上げるとセイバーに襲い掛かって来た。アーチャーから奪った宝具を武器に圧倒的な攻撃にアイリスフィールを守りながらの戦いで防戦一方となった。その間にバーサーカーのマスターである雁夜を暗殺しようとする切嗣と舞弥だが、2人はその姿を視認出来なかった。セイバーは何とか打開しようと思った時、1対1の勝負を邪魔されたランサーが乱入!「悪ふざけはそれぐらいにしてもらおうかバーサーカー!セイバーとは俺との先約があるのでな。」早くきちんと勝負したい気持ちからバーサーカーに対し怒りを露にした。しかし、魔術師であるケイネスは勝利こそが全てだと考える正反対の人物。正々堂々の勝負よりも結果を優先する事を考えていた。(合うはずがないよな。ケイネスって嫌味全開だし。ガチンコのランサーとは水と油。また令呪の無駄遣いがあるだろうと思っていました。同様にセイバーと切嗣も多分ダメでしょうね。暗殺なんてやろうとしていると知ったらセイバーが、非難の言葉を浴びせるのは目に見えてますし。やっぱり相性って本当に大切なのです。)
「セイバーを倒すにはまたと無い好機!我が令呪を持って命じる、バーサーカーを援護してセイバーを殺せ!」真剣勝負での決着ではなく、勝利を優先した令呪の使用を選んだケイネスの命令に従い、ランサーはバーサーカーとの共闘を強要された。「セイバーすまん!」セイバーに謝罪する気持ちはあっても、身体はそうならない。これがサーヴァントの避けられない運命なのだ。1対2の状況となり、セイバーはアイリスフィールの身を案じ逃げるように哀願した。しかし、首を縦に振らないアイリスフィールは、魔術師を信じて欲しいと告げた。「切嗣ならこの状況を勝機に変えてくれる。」全幅の信頼を寄せる真の魔術師が、きっと不利な状況を打破するはずだと考えていた。そして、切嗣の取った行動はケイネスの暗殺!魔術師を殺せば、サーヴァントとの戦いを回避出来るからだ。
「舞弥、僕のカウントに合わせてアサシンを攻撃しろ!制圧射撃だ!」身を潜めていた2人が制圧行動を開始のカウントダウンを始めた。「3・2・1」カウントが進みいよいよ射撃が始まろうとした瞬間、ライダーの「神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)」が、バーサーカーに直接攻撃を加えたのだ。その破壊的で豪快な攻撃はド肝を抜いたが、バーサーカーは思いのほかタフで完全に倒せなかった。「ランサーの魔術師よ!そんな下衆な命令を下すでない。そちがそれ以上恥をかかせるなら、余はセイバーに加勢するぞ。」バーサーカーの参戦により2体2のタッグマッチの実施を宣言するランサー。流石に2対1の戦いでは不利だと感じたケイネスは、苦虫を噛み潰した顔で撤退を命じた。「感謝する征服王!」本意ではない戦いに手を下さず、素直に感謝を口にしたランサーは姿を消した。ライダーはセイバーとランサーの戦いの遺恨を終息してから、勝ち残った者と戦うと言い残し恐怖で気絶したウェイバーを連れ引き上げた。(望むべき戦いと望まざる戦い。本当に初戦から色々考えさせられました。とにかくサーヴァントにも意志と個性があって、それが戦いを思わぬ方向へ導いてしまう。意にそぐわない戦いを強要されたランサーは、本当に安堵の表情を浮かべていました。こういう戦いがこれからも続くのでしょうね。)
「アイリスフィール、今宵の戦いは最初の1夜に過ぎません。ただ1人として尋常な敵はいません。」「これが聖杯戦争なのね。」初陣を振り返り、セイバーとアイリスフィールは尋常ではない戦いに足を踏み入れた事とこれが最初の夜でしかない事を認識した。一方、時臣のサーヴァントを退却させた事に雁夜は、高笑いをしていた。傲慢な時臣に対し一矢報いたのだから。しかし、1年で魔術師になった代償は肉体を蝕み、ちょっとした事でも吐血してしまっていた。それでも制御出来れば自分にもチャンスがあり、桜を救えると考えていた。(聖堂協会に使い魔?使い魔って事は魔術師ですよね。誰が放ったのでしょうか?怪しいって睨んだ人間が要るって事でしょうけど、それってこれからどう物語に絡んでいくのかちょっと楽しみです。雁夜おじさんやっぱりあんなに身体が蝕まれても桜が全てなんですね。いやはやロ○コンの鏡だよアンタ。)
更に龍之介とキャスターも闘いの行方を見守っていた。聖杯戦争の戦いを見て大興奮する龍之介と1人の人物を見て大号泣するキャスターことジル・ド・レェ。英仏百年戦争で、フランス軍を指揮していた元帥だったのだが、彼は最も会いたかった人物に出会ったの1人喜んでいた。その人物こそ、百年戦争の英雄ジャンヌ・ダルク。宗教裁判にかけられ異端者扱いされ、人民が見つめる中火あぶりにされた悲劇のヒロインが、聖杯戦争に参加している。その姿をセイバーだと思ったのだ。「あれこそ我が運命に他ならぬ。これが我が願望の成就以外何があろうか。我が聖少女よ、すぐにお迎えに参上奉りますぞ。」セイバーこそジャンヌの英霊だと思い込み、新たなサーヴァントが現れようとしていた。(セイバー=ジャンヌ・ダルク説はあったみたいですけど、それを利用してZeroのエピソードに登場させるとは中々面白い。しかも、最も今タッグとして上手く行っているキャスター・龍之介組とセイバー・アイリスフィール組の絡みですから、どんな展開になるのやら。しかし、今回は全部征服王が美味しい所を持って行きました。)