ずっと傍にいたマミが、油断して魔女に殺されるとは思わなかったよ。まどかの存在がマミの心を乱してしまったんだろうね。貴重なエネルギー源を失ってしまったのはとても痛いよ。それにまどかが、僕との契約を戸惑い始めている。あんな死に方を見てしまったら仕方ない一面もあるはずだよね。でもさやかは、契約するだろうって睨んでいる。理由はマミに洩らした契約の理由だと思うんだ。いつも訪れている少年が絶望に囚われた時、さやかは希望という名の奇跡を求めるだろうからね。
本命のまどかとはあえて距離を置いて、外堀のさやかとの契約を優先する。この作戦がやっぱり今は一番良いと思うんだ。ただ問題は暁美ほむらの動向なんだよね。彼女は魔女退治が目的なのかそれとも別の目的があるのか?まどかが現れる所にいつも現れている。それに僕を一度殺しているし、もしかしたらまどかとの契約を阻止しようとしているのかもしれない。しかし、まどかの行動を観察していると非常に感受性が強い。あのマミに対して自分が魔法少女になるって言ったみたいだしね。暁美ほむらをマークしながら、まどかを完全に契約を諦めさせないようにする。それが僕にとっては一番の方法だと思ったよ。
そして、さやかが睨んだとおり僕に契約持ちかけて来た。人間って奇跡って言葉にすがるっていうのは、過去の経験から学んでいたけど、さやかも例外じゃなかった。それに願いが叶うという事は、魔女への第一歩だって知らないだろうからね。願いを叶えるにはそれ相応の因果が必要な訳だし、願いだけ叶うなんて無いんだよ。人間はいつも自分の願いばかりを追及するから、僕も契約がし易くて本当に家畜なんだって思うよね。ただ問題は魔法少女同士の対立が起こってしまって、共倒れになりそうな事なんだ。
隣町の魔法少女佐倉杏子が、マミの後釜を狙ってこの町にやって来たからさ。さやかと杏子では力の差は目に見えている。それに性格も正反対だから、戦いになるのは誰が見ても明らかだよね。そこで僕はまどかを戦いの場に居合わせる事で、さやかを助けたい思いを湧き上がらせ、契約にこぎつけようと考えた。案の定さやかは杏子に圧倒的にやられて苦戦を強いられた。そこで僕はまどかが介入するなら魔法少女としてでないと無理だと勧めた。まどかのその気になったのだけれども、またしても暁美ほむらが戦いに割り込んで来た。
彼女はどっちの味方にもならず、ただまどかだけを見ている感じだった。まどかの契約を阻止するのは、僕の目的を知っているのではないかな?そうでなければ行動の理由が、わけがわからないよ。でも僕もエネルギー回収の使命があるから、なんとしてもまどかと契約を結ばなければならない。まどかなら杏子とさやかの対立を一瞬にして収めて、いずれは最強の魔女になるだろうからね。そして杏子とさやかが再び戦いを始めようとしたんだ。僕はさやかのピンチだと思ってまどかを煽って契約させようとした。前段階で特別だって思わせる布石を打ったから。
しかし、まどかは思わぬ行動を取った。さやかのソウルジェムを道路に投げ捨ててしまったんだ。変身装置だろうと思ったのか、さやかそのものだと考えない軽率な行動だった。魔法少女は契約によって魂をソウルジェムに変える、肉体はただの器として戦うんだ。だけど人間にはそれがどれだけ重要なのかわかっていない。魂の場所なんて別にどうでもいいのにね。なんでそこまでこだわるんだろう?もう少し理解して欲しいよね。
それにしても暁美ほむらは、すぐにソウルジェムを拾いに行った。彼女だけはソウルジェムの本当の意味が分かっているみたいだ。まどかはさやかの安否を凄く気になっていたから、それも行動の原理なのかもしれないね。暁美ほむらの行動パターンがわかって来たけど、さやかが今度どうなるのか?すぐに穢れを溜め込んで魔女になられても困るから、今後はそれもケアしながら、まどかを勧誘し続けよう。きっとさやかを助けようと思うはずだからね。(魔法少女まどか☆マギカ第4話~第6話の内容より)