今回は本日ニュースで取り上げた記事を考察したいと思い、別の記事として新たに書きました。深夜アニメ全体の売上、放送枠は減少しています。これらの原因について私は、2つの要因があると考えます。1つは上記に記載があるように「アニメファンが、作品を選別するようになった事」です。以前明治大学でのシンポジウムにて、ジェネオン・ユニヴァーサルのプロデューサー上田氏が、過去に成功したタイプのアニメの類似作品しか企画を通らない。と示唆していました。簡単に言えばファンに受けたタイプの作品でなければ、制作はありえないというリスクを冒さないスタンスなのです。
そうなれば必然的に同じタイプの作品が増加。ファンの中でもデジャブのような感覚を感じ「また同じような作品か。」と考えます。これはあくまでも相対的、全体的な傾向でありますが、作品ごとに精査してみると決して力は衰えていないと断言できます。実際化物語は、放送前話題に挙がりませんでした。しかし新房監督の斬新な演出と今までにない脚本による会話が受け、右肩上がりに売り上げが上昇。第4巻は発売が延期になったにもかかわらず、週間売上本数7万本という爆発的なヒットとなりました。
またTBSHDのアニメ事業の売上は、2008年と比べ倍増しました。京都アニメーション制作の「けいおん!」「CLANNAD」の売上が大きく貢献しました。京アニ作品は原作のよさをいかしつつクオリティの高い作画と演出を貫き、無理な作品乱発をしない事でファンのニーズを満たしてきました。京アニブランドはすでに確立されているのです。こうしたことを踏まえると、いい作品とそれ以外の作品の格差が広がり、相対的な売り上げ減少につながったと考えられます。もうフィギュアを付けたり、DVD特典やディレクターズカットなどのあざといやり方では通用しません。
2つ目の不況による影響です。深夜アニメの主な視聴者層は学生や社会人です。特に社会人は給料所得が減少している人が多く、今まで気に入った作品が多ければ全部買っていた人も、上記で示したように作品を精査し1本だけ購入。またはテレビ放送の録画だけで済ませる傾向が強くなっています。更に違法アップロード視聴による地方や海外のファンが支えていた購入についても同様な事が言えます。実は地方で本放送を観られない彼らが支えていたのですが、作品の質の低下とアニメにお金が回せない現状があるのですね。
こうして見てみると深夜アニメの現状はマイナス面ばかりですが、光も見えていると私は考えます。その根拠は劇場版の成功です。昨年11月劇場版マクロスFが、公開劇場わずか30館にも拘らず8700万円の興行収入を記録し興行収入第9位。続いて今年1月に公開された魔法少女リリカルなのはは、公開劇場こちらもわずか19館足らずで、興行収入6100万円を記録。また同日公開されたFate/stay nightも公開劇場わずか12館と更に少なくても興行収入3700万を記録。両映画とも1館当りの興行収入は300万円を超えました。ハルヒも公開劇場わずか24館であっても興行収入推定8000万円台を記録。興行収入第7位をマークしました。
なのはを除く作品は、DVDの売上でも平均20000本を超えています。なのはも放送当時は売れませんでしたが、徐々に人気が上昇。今では深夜アニメ屈指の人気作品です。クオリティが高く評価されていた作品が、劇場公開され成功を収めた事は深夜アニメの新たな可能性を見出しました。つまりいい作品ならばお金を払ってでも観に行くし、アニメコンテンツの力があれば十分新しい道は開けるという事です。ハルヒの舞台挨拶で石原総監督は、あえて劇場版にして作品を仕上げたかったと言っていました。
しかし現状はこの冬からスタート作品においては、私個人的には全く満足していません。ソ・ラ・ノ・ヲ・トも方向性が定まっていない。ダンスインザヴァンパイアバンドも面白さが徐々に薄れてきた。バカとテストと召喚獣は、典型的な萌えアニメで内容は大してない。聖痕のクェイサーはエロばっかり。地上波では規制が強すぎで内容がわからず本末転倒。現状は厳しいですけどオリジナルアニメが、4月から待っているのでそれに期待しています。もちろんけいおん!は、深夜アニメの金字塔ですから一番期待しています。