本日2月6日から公開が始まった涼宮ハルヒの消失。私も池袋シネマサンシャインに行って観賞して来ました。8回連続殆ど同じ内容だったエンドレスエイトは、今でもちょっと許せないですけど、巷のハルヒ人気は衰え知らず。しかも深夜紹介した辛口コラムを読んでみて「消失は違うはず!」そう思いわくわくしながら席に座りました。他の映画のCMが終わり角川映画・京都アニメーション・ランティスのクレジットが出て、いつも通りのキョンのナレーションからスタート。これを聞くと「やっぱりハルヒだな。」ちょっと安心しました。ネタバレになりますが、感想を知りたければ是非読んでみてください。
物語は12月16日から始まり、クリスマスにあえて触れようとしないキョンに対し、ハルヒは勝手にクリスマスは暇だと決めつけクリスマスパーティを提案。またみくるちゃんはコスプレの餌食になるのは言うまでもありません。これってさわちゃんと澪ちゃんの位置付けです。17日はあの谷口に彼女が出来、しかもお嬢様学校光陽園学院の1年生とクリスマスイブにデートするのだとウキウキ気分。一方のキョンはSOS団クリスマスパーティの準備だが、ハルヒの無理難題を受け入れるのも当たり前になっていた。
それが12月18日、後日談で「奈落の底に突き落とされる。」と表現したキョンにとって、悪夢の日々が始まった。谷口は全然寒くないからとマフラーをしていなかったが風邪を引いている。デートの話も消えていた。このときキョンはまだ違和感を感じていませんでしたが、自分はおかしいとは到底思っていなかった。でもBGMが変化していたので、私は徐々に本編に入っている事を実感しました。そして教室に入るといつもいるはずのハルヒがおらず、逆に現れたのは消滅したはずの朝倉涼子だった。自分を殺そうとした相手が復活した。私だったら自分を抑えられるかどうか判らないほどの怒りを感じたでしょう。
しかも他の生徒達にハルヒの存在を確かめようとするキョンの姿は、行きようともがく人間みたいに泥臭かった。こういう泥臭さはハルヒの中では、あまり感じる事はありませんでした。絶望と恐怖を感じたキョンは、一樹のクラスを訪ねたが「1年9組」は存在しない。偶然出会ったみくると鶴屋さんに自分の存在を確認してもらおうと必死に訴えたが、ヘンタイ扱いされまさかのみくるちゃんのグーパンチまで飛んで来た。あの優しいみくるちゃんグーパンチ。しかも鶴屋さんは「怒髪」で殴ると敵対心むき出し。どんどん策が無くなり追い詰められる姿が印象的でした。
結局「最後の砦」とキョンが称したSOS団の部室へ足が向いた。案の定たった1人で本を呼んでいる長門有希がそこにいた。しかし異なる点があった。パソコンの存在と無機質で無感情な有希の態度が人間の女の子そのものだという事。これで自分が知っている世界は「消失」した事を知り残ったのは絶望と虚無感だけだと認識したキョン。私ももしそうなったらと思うと、動揺してどうして良いのかわからなくなります。こういうことって親しい人間との関係が、深ければ深いほどダメージは厳しいですよね。
19日になっても事態は全く好転せず、どうしていいのかわからない。キョンは「自分を知っている。会った事がある。」と言われた事を拠り所にして、もう一度有希がいる文芸部を訪れた。以前しおりにメッセージが残されていた書籍「ハイペリオン」の存在を思い出し、開いてみると案の定有希のメッセージが記されていた。「鍵を揃えよ。最終機動期限は2日後。」抽象的なメッセージだが、キョンにとってはまさに天からのめぐみだと涙が出ていた。そのシーンは、まさに地獄に仏だと強調していると実感しました。そして2人で一緒に帰ると、有希の方から自宅に招き入れたいと言って来て「ああ恋をしている。キョンの事が好きだけど表現が下手だと。」見ている側にメッセージを伝えてくれました。そこは朝倉涼子が食事を持って来た時、帰ろうとしたキョンの上着のすそを掴んだ時の表情にも表れています。
今回は三角関係がやたらと形成されてましたが、キョン・有希・涼子の3人でも関係が出来ていると後で思いました。それがクライマックスに向けて重要な関係だったからです。翌日の20日も有希と自分との出会い方が、異なっている事を理解したキョン。涼宮ハルヒの存在は、本当に誰も知らないと絶望していた時、風邪をひいていた谷口がハルヒの存在を指摘した。雲間から太陽の光が照らすように希望が見えてくると、キョンは自重する事を忘れて谷口に食って掛かった。そのシーンは気持ちが篭っていて嬉しさと焦りが同居していました。
学校を早退してわらをも掴む思いでキョンは走った。求める人ハルヒが通学する進学校光陽園学院へ。しばらく下校時まで待つと、ついにハルヒが現れた。しかも横にはSOS団のメンバーだった一樹の姿もあった。キョンはすぐに前に出ようとするが足が踏み出せない。このシーンは凄く心情を表現していました。拒絶され続けた恐怖で足がすくむ姿が印象深かった。それでも勇気を振り絞ってハルヒの前に出ると、予想通り拒絶されてしまいおまけに格闘家のようなローキックを喰らった。守衛まで現れてハルヒが立ち去ろうとしたとき、今回のキーワードになった「ジョンスミス」の出した。その名を聞いたハルヒの目から鋭さが消え、SOS団団長の顔になった。
いよいよ物語が動き出した思った時、ファミレスで一樹も同席してキョンの状況を整理する事に。12月18日を境にキョンは、パラレルワールドに迷い込んだのか?世界そのものが改変したのか?どちらかに絞られた。最初にハルヒを観た時、抽象的な表現が多く何を言っているのか判りませんでした。4年が経過してようやく判り頷きながら観賞していました。結局ハルヒがみくると有希に会いたいと言い出し、北高校へ向かうが問題が発生。そのままの服では乗り込むわけには行かない。仕方なく体操着に着替えてマラソンから帰って来た設定で校舎へ。
お約束のみくるの強制招集もあって、文芸部室にSOS団の面々が集まった。それこそが有希が記した鍵だった。パソコンが起動して緊急プログラムを発動させるか否かを決めるのはキョン。迷い無く選んだのがエンターキーを押して緊急プログラムを発動する事。有希に文芸部の入部届を返す事になった。その時の有希の表情がほんとうにつらく、失恋した女子そのものだった事が頭の中に残っています。まあキョンにとってはやっぱりハルヒなんですよね。
ここからいよいよクライマックスに向かって物語は怒涛の展開を見せます。キョンが飛ばされたのは、3年前の7月7日。七夕の夜ハルヒがジョン・スミスと出会う日です。そこでみくると一緒に来たキョンとは会わずに、大人のみくると出会う事に。今まで禁則事項ばっかりだった大人みくるですが、今回は非常に重要な立ち位置でした。経験から裏打ちされる言葉が、高校生の少年には凄く重いのです。「涼宮さんに振り回されてばかりだったけど、卒業したらいい思い出でした。あなたにもいつかわかる日が来るわ。」私も高校を卒業しているので、この言葉は凄く共感しましたね。
こうして2人で話をしてから中学時代のハルヒが帰宅する前に「世界を大いに盛り上げる為のジョン・スミスをよろしく!」ハルヒの記憶をちゃんと定着させるように仕向け、時空の揺れを感じた大人みくるも同席して再び有希のマンションへ向かった。同期も出来ない状況だったが、時空の変化を改善するプログラムを実行する短針銃を渡された。「部室で待っている。」キョンは、時間を元に戻すべく再び12月18日へ戻った。ここで現れた時間の流れを変えた犯人は有希だった。ハルヒを自分の前から消しキョンだけを残した事でも、ハルヒに対するジェラシーを知らず知らずの内に持っていたのでしょう。「バグ」と表現していましたけど、キョンは感情を持ったからこういう行動を招いたのだと理解しました。
しかし自分は世界を元に戻さなければならない。嫌がり恐怖する有希に銃を撃ち込もうとした瞬間、背後から刺されてしまった。時間が改変した後に現れた朝倉涼子が、有希を傷つけようとした敵を排除しようとしたからです。これも嫉妬ですよねやっぱり。ヤンデレって言うのでしょうか?今までこのアニメには、個人の感情は余り表現されなかったけど、ここまできちんと行動で表現するのは驚きです。キョンがハルヒがいる世界といない世界を選択する時も、自分自身が現れてどうするのか尋ねました。「どっちが楽しかったんだ?」楽しかったという表現を使いましたけど、ここはハルヒがいるのかいないのか?どっちがいいんだと暗に聞いている。有希は選択の余地を与えたのは、自分とハルヒどっちを選ぶのか?それを知りたかったのだと思いました。
結果キョンが選んだのは、ハルヒがいるSOS団の日常。当たり前の高校生活よりも非日常が絡む毎日を選んだ。今まで傍観者だった自分が当事者となって行動する。本当の意味でキョンにとってのSOS団は本物になったと実感しました。刺された後意識が遠のき、目が覚めた時甲南病院のベッドの上。そこにはSOS団の仲間一樹が付き添っていた。しかもハルヒは目覚めるまでずっと付き添いベッドの横で寝袋に包まっていた。動揺した時の様子が尋常じゃないほど、ハルヒの想いが伝わって来ました。やっぱりハルヒはゾッコンだし、キョンは傍観者から当事者になったのだからハルヒの気持ちに応えて欲しかった。
最後に有希とキョンは病院の屋上で会話をするが、ここで上手いなと思ったのが今まで「長門」と読んでいたキョンが、雪が降って来た時に初めて「有希」と言った事。偶然だけど有希の中に感情が芽生えた事に凄く感動しました。「お前は仲間だ!」統合思念体が存在の抹消を通告した事を聞いたキョンは、有希の事を仲間だとキッパリ言い切りました。求めているのとはちょっと違ったかもしれませんが「ありがとう。」と感謝したのは、人間生活に順応してバグと表現される感情の芽生えであり、少しずつ人間らしくなった現われだと思いました。ラストの主題歌も感情移入して聴く事が出来たので本当に感動しました。2度目も勿論行くつもりですし、行くか行かないか迷っている人も絶対行くべきです。163分間の濃密なストーリーを堪能して欲しいと思います。長文ですが参考にしてもらえると嬉しいです。尚舞台挨拶に関しては、詳細が掲載されていましたのでニュース記事で紹介します。