ウーアウィルスを投与された双子の兄弟はカナンの活躍により滅びた。死のウィルスと共に副作用を生じる恐怖のウィルスである事が判明した。「おい大沢開けろ!」部屋から閉め出された実。マリアに開けるよう要求した。「着替え中です。」時間は経過しているが、マリアは人を遠ざけるように座りこみ入室を拒否した。テレビには国際テロ防止会議のニュースが流されていたが無反応のまま。「カナンは普通の女の子。どんな過去があったってどんな今を生きてたって。それは私の欺瞞(欺く事)だった。あの時カナンは、普通の女の子じゃなかった。」自分が少年の罠にはめられ捕えられた時、カナンが容赦なく射殺した姿を見て「普通ではない。今までのイメージに自分は欺かれていた」事をマリアは再認識したのだった。(普通の友達。格好良い女の子。そんな思いだったのに、人を簡単に殺す姿を見てマリアは想像以上にショックだったシーンが克明に表現されてました。イメージを抱いてそれを自分の中で肥大化する。しかしそれが欺瞞だったと気付いた時の衝撃は倍以上になります。そこでマリアはどうするのか?)
同じ頃カナンは、マリアを失ってしまうかもしれない不安に囚われていた。「また私は失ってしまうのか?」またという言葉を用いたのには訳があった。何故なら過去の自分は大切な人との別れを経験していたからだ。それは傭兵の基礎を学んでいた頃に遡る。幼き日のカナンは、街が破壊された戦場でシャムという傭兵に出会った。「無理に見なくても良い。目を逸らしても良いんだ。」悲惨な焼け野原を見るなと忠告したシャム。「青い炎が燃えている。」別の場所の光景が見えている。その頃からカナンには、五感を同時に行使する「共感覚」の能力を持っていた。その後シャムはカナンから名前を聞かず、新たな人生を歩ませようと傭兵の訓練の日々を与えた。「ためらうな!複数の敵に打ち込むなら2発打ち込め。相手を接近させるな。」元来の身体能力と躊躇わずに敵を倒せというシャムの指導の下、カナンは訓練を続け銃の腕と殺しのテクニックを身につけて行った。(孤児だったカナンは、シャムによって拾われて普通じゃない殺し屋の道を歩み始めた。良いのか悪いのか当時は考えなかったかもしれないけど、シャムはこれが良いのだと思ったのでしょう。逆に普通には生きられないから、そうせざる終えなかった。もしそうなら悲しいなって思います。)
訓練を受けながらカナンは、銃が持っている無のイメージが好きになった。逆に太陽を照らす青の色を極端に嫌った。「青は憎しみの色だ。そこには敵が居るから。」自分を狙う敵の存在を嫌う。カナンには優しい一面があった。その話を聞いたシャムは、自分は何色か尋ねた。「薄茶かな?1週間風呂に入っていないから。」カナンは冗談を言って大笑いした。シャムは父親であり家族のような存在。その証として苦痛に顔を歪めながらトレードマークの腕の入墨を彫った。しかし最も大切な人との別れは突然訪れた。「私はカナンだ。」カナン(希望の地)と名乗ったアルファルドに殺されたのだ。「名前、お前本当は何ていうんだ!」名付けてくれた名前を名乗り、シャムを奪ったアルファルドに怒りに震えながら尋ねたカナン。「どこにでもいるテロリストだよ。」固有名詞を名乗らず、アルファルドは自らを単なるテロリストと名乗った。そしてそのままカナンの前から姿を消した。(大切な人を失いたくない。マリアはシャムと同じぐらい大切だと思っている。しかしマリアはカナンに対して普通じゃないと考えている。ずれが生じてそれがどうしようもなくなったら悲しい。でもカナンは必ずマリアを守る為蛇と戦うはず。この物語の原点が明かされて、ようやくシャムの存在の意味が分かりました。)
シャムの事を思い出し憎しみを募らせるカナン。その時ふとシャムが言葉を投げ掛けた。「お前はまだ復讐を考えているな。覚えておけ!憎しみで憎しみに当たっても意味が無い。憎しみには銃で当たらなければ救われない。憎しみは何も生み出さない。」憎しみを持つ相手アルファルドに対し、復讐という憎しみで戦っても何も意味は無い。忠告のようなシャムの言葉だった。「分かっているよシャム。だけど私はもう失いたくないんだ。」大切な人マリアを失いたくない。それを阻止するには憎しみを持たなければならない。忠告を理解しながらもカナンの心の中に憎しみの気持ちが膨らみ始めていた。一方実は機嫌が悪いと思ったマリアにご馳走しようと、上海の街まで連れて行った。「私は単純じゃありません。」食べ物で買収されるほど単純じゃない。マリアはふて腐れた。「そんなんじゃハートは掴めないぜ。」お気に入り「チャイナタウンでハイテンション」を聞きながら、再びあのタクシー運転手がウィンクしながら恋のレクチャーをした。「いや別に掴みたくないけど。」小娘なんて相手しない。マリアは自分の恋愛対象ではない。実は呆れながら答えた。(意外と出来てるって思ったけど、実は大沢って苗字で呼んでいるから。マリアって呼ぶようになったら変わるのかもしれないですけど。それ以上に気になったのが、カナンに協力しながら嫌悪感一杯の夏目とカラオケパブのオーナーサンタナとの密会。蛇に敵対する組織のメンバーで上で操っているなら謝礼を渡すのは分かります。しかし夏目はそれを受け取らない。彼女とサンタナは過去に何かありそうで、これも興味ありますね。)
「誰のせいで失った?誰のせいで失う?」アルファルドが現れる情報を掴み、夜の上海を走るカナン。分かっていても憎しみを募らせる気持ちは抑えられなかった。同じ頃実の案内でマリアは上海料理店へ案内された。「かに!かに!かにいいいいいいい!」高級上海カニを前に興奮しながら、カニの脚はマリアの口にパクリ。「上海カニのシーズンは、秋から冬だからな。今は養殖が盛んだからそれほど差はないけどな。」閑散している店内に気付いたマリアに実は、シーズンじゃないから少ないと説明した。その時やたら酷い音が、店内に響き渡った。「あれあの娘?みのさんも会った事ないですか?」演奏していたのが、前に出会ったユンユンだと気付いたマリア。実にも意見を求めた。「あんなに巨乳だったかな?」胸ばかり目が行く実。しかしマリアは、沢山バイトをしているユンユンの姿に「普通の女の子ってどんなんだろう?」普通という概念を改めて考えるようになった。(普通の女の子って遊んだり男の子とデートしたりする。平凡な日々を送っている女の子のこと。しかし今はカナンや非日常の出来事に巻き込まれてそれが見えなくなっている感じが、マリアの中に芽生えている。今週はもの凄く登場人物の気持ちが強調されて描かれている気がしました。)
一方アルファルドはドレスアップして、ダイダラ社主催のパーティ会場に現れた。一際輝いた姿と美貌に男性客の心はあっという間に奪われた。一方その姿を憎しみの視線を浴びせるカナンも会場の外で様子を窺っていた。会場ではパーティが始まり、社長カミングスの乾杯で盛り上がりを見せていた。「ごちそうさまでした。私ちょっと散歩をしていきたいです。」食事を終えたマリアは、夜の上海を散歩したいと言い出した。「こんな時簡に1人で?ここは日本じゃないんだぞ。」異国で女の子1人の夜の散歩。実は当然心配した。しかしマリアはそれを承知で意を決して、別行動を取った。少しでもカナンの気持ちを知るために。その後実は日本に電話して、あの紋章の詳細について尋ねた。「編集長によると、血管が浮き出たって感じだって言ってました。」女子社員からの情報で、実は謎に一歩近づき始めた。(何かちょっとずれている気がします。マリアは意を決した行動が、カナンの気持ちを知り近づきたい気持ちと。ただその方法が違うのではないかと。逆にカナンは普通を求めているようだから、そのすれ違いが展開にどう絡むかが面白いと思います。ちなみにサンタナが滅ぼした村ってカナンの村なのでは?)
1人夜の上海を徘徊するマリア。カメラを持ち立っていると、3人組のチンピラに目を付けられた。「私が危険にさらされると助けに来たカナン。もしかして今度も?私がカメラを持つようになった理由。それはカナンに出会ったから。分からない事、目を背けたく出来事を見たいから。カナンを分かりたかったから。なんて甘えていたんだろう。あの子を撃ったのは、私を守ってくれる為だったのに。私は罪の意識から逃れたくてどこかでカナンを責めた。」カメラを持つきっかけを作ってくれたカナン。いつも助けてくれたカナン。なのに自分のせいで人を撃ってしまった事をカナンのせいにした自分がいる。嫌悪感に苛まれマリア。自分を変えようとチンピラに絡まれても一歩も引こうとしなかった。「はいはいバイト遅くなったよ。」通りかかったユンユンが、待ち合わせと称し無理矢理マリアを連れて行き事なきを得た。「ここはお前が生まれた国じゃない。」郷に入れば郷に従え。常識が通用しない事を戒めようとしたユンユン。しかしマリアには、思いは届かず「大沢マリア!大沢マリア。これが私の名前。知りたいのあなたの事。カナンの事。」自分の事を訴えて今したい事を一方的に言うだけ。「世界ふしぎ発見?」ユンユンはただ当惑して、ドン引きするだけだった。(マリア痛い子になってるよ。自分を変えようとするのは分かるけど、これじゃあただ空気が読めない子になってます。そういう迷い道を表現する為に使ったのだと思いますけど、なんだか意図がよく分からなかったです。)
パーティが行われているホテルでは、アルファルドが化粧室で口紅を塗り直していた。別の女性が化粧室から出ると、アルファルドの視線は背後の洋室トイレに集まった。「あの男が言っていたよ。恐怖を知っている者は、憎しみでは動かないってね。カナンは俺やお前とは違うってね。ありがたいねえ。私と同じ所まで落ちてくれたよ。それは憎しみに満ちた瞳だ。」最初からカナンが潜んでいると知っていた。そして憎しみに満ちた自分と同じ人間になった事を「ありがたい」と皮肉タップリに答えた。すると間髪入れずにカナンが銃を放った。鏡に弾がめり込み、かすりもせず互いに銃を突きつけあった。「どうした反応がぶれている。あの頃のお前は、ここまで脆くは無かったぞ。私がシャムを殺した前までは。」憎しみに満ちたカナンの動きは、アルファルドに見抜かれぶれているとこき下ろされた。しかもシャムの名を出され動揺したところに、強烈な蹴りを入れられ壁に叩き付けられ首を締め上げられた。「どうだ憎しみから戦う気分は?泥のようだろ?あがけばあがくほど飲み込まれていくんだ。しかし私はその屈辱を耐え這い上がったんだ。」憎しみに囚われても這い上がり強さを身に付けたアルファルド。未だ憎しみに囚われているカナンは敵ではなく、あえて殺そうとしなかった。全てを見透かされ屈辱的な敗北を喫し、脱出するカナンの姿をリャン・チーが目撃。大切な人を狙った敵として、ワイングラスを割り激しい憎悪をぶつけるのだった。(初めてカナンとアルファルドが対決しました。カナンは憎しみに囚われ、アルファルドは憎しみの罠から這い上がり強さを身に付けた。その差は大きかったですし、カナンも動揺したりするのだなって再認識しました。今回は心理的要素が大きく、キャラクターの過去と今の違いや心理の違いが描かれており、非常にこれからどうなるか期待が持てました。)