20歳にして高校を卒業した渚。それを期にプロポーズして結婚が認められ、朋也は自分のアパートで渚との新婚生活が始まった。結婚式は資金が溜まってからと考えていたが、互いに力を合わせてこれから困難に立ち向かうと誓い合った。そして自分だけが、何もしない訳には行かないと思い行動に移した渚。選んだのはりえと杉坂が働くファミリー・レストランで働く事。それは守られているだけの弱い自分では居たくない、強い思いが隠されていた。



 渚は知り合いが働く場所で、てきぱきと働き周りからの信頼と制服と持ち前の可愛さで人気店員になっていた。様子が気になる秋生は、古河パンを訪れた朋也と一緒に働く店舗に向かった。

そこは朋也にとって思い出深い雑木林があった場所。変わっていく街並みに違和感を感じるまま

店に入って行った。秋生はラッパー風の格好をしており、天然の渚には朋也の友人として振る舞いばれなかった。そして言い寄る迷惑な男性客を撃退する2人。最後まで正体を現さず、秋生は

帰って行った。一方店長に呼ばれた朋也は、トラブルを起こし注意されると思った。しかし撃退してくれた事に感謝した店長。渚をとても高く評価し、店には無くてはならない存在だと告げた。



 光坂高校にも新しい校舎が建てられ、思い出のつまった演劇部があった旧校舎が取り壊しに

なる話をした渚。後輩達が新しい学び舎で、勉強出来る事を喜んでいた。しかし朋也には渚と

出会い青春を謳歌した場所が無くなる事が我慢出来ず、つい怒りをぶつけてしまった。自分の知らない街に変わっていくいらだちが、朋也を怒りと焦りの心を招いていた。それ落ち着かせようと

手を取り気遣う渚。夏になるとトイレに入り嘔吐するようになった。それは体調を崩したのは無く

2人の愛の結晶が誕生するシグナルだった。可愛い娘に子供が出来たのは嬉しいが、エッチな

事もすると言われショックを受けた秋生。めでたい事と称していたが、目は怒りに満ちていた。



 既に渚は妊娠2ヶ月目に突入していた。「産みます!朋也君が居てくれるから安心です。今日までも2人で頑張って来ました。」子供が出来ればより大変になる秋生の言葉に対し、朋也と今まで頑張ってこれたから安心している渚。「渚を授かった時秋生さん、俺が守るって言ってくれました。」自分の渚を身篭った時、秋生から守ると言われた早苗。「俺が渚を守る。」という朋也の言葉を信じていた。「頑張れよこの甲斐性なし。」兄弟のようにヘッドロックをしながら、秋生流の

エールを朋也に送った。「甲斐性なし!でももうそれじゃあ済まされない。渚は仕事を休む事になるだろう。俺1人で3人分の家計を賄わなければならないこれからが俺達家族の正念場だ!」

頼りない若造ではなく、大黒柱として最愛の妻と生まれてくる子供を守らなければならない。より

強い自覚を持ち始めた朋也。直幸も自分が生まれた時、同じ事を考えたのかと想像しながら。

19歳にして親になるのだから、それは責任重大ですよ。家族を持つという事は、自分が社会や

家庭に対しいやおうなく向き合う事になる。まさにCLANNADは人生という意味が、朋也の台詞の中で垣間見えました。)



 「おめでとう聞いたぞ子供だよ子供!ウチの奥さんが早苗さんから聞いたそうだ。まだまだ社会人としては半人前だが、夫としてはこれで一人前にならざる終えないな。生まれてくれば理解する事になるさ、人は誰もが1人で生きていけない事を。誰もが誰かに支えられ、誰かを支えて生きているいるんだ。」光坂電気でも渚の妊娠を同僚から祝ってもらった朋也。特に祐介からは、父親として一人前になる自覚を持ち、互いに支え合っていく事を訴えた。最後は独演会になったが、祐介からもエールを送られた朋也。しかし元々身体弱い渚は妊娠3ヶ月目になると、徐々に

体力が少なくなり寝込むようになった。「気にするな、これぐらいは俺がやるから。」洗濯物をしまうなど、渚に負担を掛けまいとする朋也。いつも人一倍頑張ろうとする妻の身体を気遣う優しさ溢れた行動だった。ただ家事は軽減された渚だが、食事は取れず水もつわりが酷く、あまり飲む事も出来なくなっていた。「食べられる時に少しでも食べた方が良い。」渚の身体を心配して、料理をしない朋也がおにぎりを作ったり、氷を食べさせたりした。「美味しいです!ありがとうございます。」自分の為に作ってくれたおにぎりを、渚は嬉しさと感謝の気持ちで食べた。(高校時代の朋也とは人が変わりましたね。これも渚のおかげだと思います。相手を思い遣り気遣う事の大切さをアニメを通じて教えていると思います。これは人間として当たり前の行為だし、特に恋人や奥さんを持った男性は見習った方がいいですよ。)



 渚が自宅で療養する間、ガムシャラに働いた朋也。夏も本格化して、渚も布団から起きられる様になって来た。「あのうご相談があるんですが?私このお部屋で赤ちゃんを産みたいです。昨日病院で、この母親教室の案内を貰ったんです。病院だと生まれた赤ちゃんを抱いてあげられないそうなので、そう出来れば良いなって思いました。」朋也も手伝い抱かかえられる事が出来る。渚は自宅出産を望んでいた。「てめえなあ出産だけでも大変なのに、それを自宅でしようというのか?」相談に来た朋也に対し、自宅出産は難しいと返答した秋生。「俺は渚の希望を叶えてやりたい。勿論身体の調子と相談してだけど。」身体を気遣いながら、渚の希望を叶えてやりたいと考える朋也。「そうですね無事に出産する事が最優先です。私が渚を産んだ時は、直ぐに引き離されてしまって。秋生さんが渚を抱いたのは、病院の人が抱いた後でしたし。」自分が渚を産んだ時のエピソードを聞かせた早苗。まずは無事出産する事が大切だと主張した。「身体の心配さえなければいいだろう。抱いてやれ最初にな!」秋生は自宅出産を認め、朋也に一番最初に抱くよう後押しした。(舐めるのは最悪だな秋生さん。渚もそれを認めちゃ駄目でしょう。でも

自宅出産ってリスク高くないですか?朋也は厚生年金入ってるはずだし、出産手当も出る訳だからまずは身体を気にした方が良いと思いますが。)



 秋生も自宅出産を認めた後、早苗の紹介で助産士の八木という女性が紹介された。「こちらで出産をご希望と伺いましたけど?リラックス出来る環境が大事です。まだ時間がありますから、じっくり考えてもらって結構ですよ。」リラックス出来れば出産は上手く行く。それまでゆっくりリラックス出来る環境を考えて欲しい意図を告げた八木。「八木さんは、渚が丈夫でない事を知っています。周りが余り心配すると、妊婦が不安になるから気をつけるようにと言われました。」身体が弱い事を知っていた八木は早苗にアドバイスを与え、それを朋也に伝えた。朋也もその言葉を理解して、渚に早苗との会話内容について聞かれたが、何も答えなかった。「隠さなくても大丈夫です。私の身体の事ですね。朋也君やお父さんやお母さんが、心配してくれるのは分かります。でももしもの事があっても、赤ちゃんは産んであげたいです。」自分の身体の事で、周りの人間を心配させている事を自覚していた渚。それでも産みたい意志を持っていた。「そんな事言うなよ、皆で協力してるんだから。高校の時と似ているな、あの時も舞台を成功させようと皆で協力して頑張ったもんな。」高校時代と同じ皆で協力するのだから、万が一なんて考えるなと朋也は渚の背中を押してあげた。(アッキー若いお爺ちゃんだなあ。親父でも全然いけるわ。やっぱり渚の歌はだんご大家族か!しかも4人で歌うと凄くシュールだ!)



 渚の出産まで大きなトラブルはなく、順調そのものだと思っていた朋也。しかし心のどこかで抱いていた不安が、現実になってしまった。「すみません朋也君のお仕事の邪魔をしたくなかったので。」気分が悪くなり倒れた渚。早苗には電話をしたが、朋也の仕事に配慮して連絡しなかった。「明日から昼間私が渚の側に居ます。そうすれば朋也さんも安心でしょう。」早苗が渚の側に居ると告げ、朋也を安心させた。早苗と呼ばれた八木が帰宅した後、朋也は渚を気遣い欲しいものがあるか尋ねた。「何にもいりません。朋也君が側に居てくれれば安心です。心配しないで下さい朋也君。」最愛の人朋也さえいれば何もいらない。渚にとって安心感を与えてくれる存在が

朋也だった。「俺は手放しに幸福感に浸る事は出来なくなっていた。」2人なら乗り越えられるはずなのだが、子供の誕生が朋也に不安にさせていた。それが後日早苗に声を掛けられ、渚が働いていたファミリーレストランに向かった。(渚の健気な姿がとても印象に残ります。そして優しく見守る朋也の顔も。何とか赤ちゃんが生まれて3人で、仲良く暮らせる日々が来て欲しいなあと思ってます皆でだんご大家族を歌える幸せな家族なんて、とてもいいじゃないですか。)



 「お話があるんです。出産の際少し危険を伴うとお医者様に言われました。渚にはまだ話していません。一般の分娩よりも少し負担が掛かるという事です。でも出産には問題ないだろうという事でした。ただそれは順調に行った時の話です。朋也さんも知っての通り、渚は時々体調を崩します。渚の病気には、よく分からない事が多いです。お医者様も万が一の事を心配しておられるようでした。慎重に考えなければならない事なので、先に朋也さんにお話しました。」順調に行っても渚の出産には、通常よりも負担が掛かる。しかし体調を崩せば万が一の事も考えなければならない事実を医師から聞かされた早苗。朋也に慎重に考える時間を与える為、本人よりも先に

事実を伝えた。「もしもの事を考えたら、子供は諦めた方が良いのでしょうか?」渚と2人で考える前に、赤ちゃんを諦めるべきか尋ねた朋也。しかしそれは早苗にもわからず、苦渋の決断を下すのは、当人同士という事になった。「私産みたいです産めるならば、自宅出産でなくてもいいです。私赤ちゃんに会いたいです。」命の危険に晒されるかも知れないが、渚の産みたい医師は変わらなかった。その理由は赤ちゃんの顔が見たいからだった。(やっぱり大切な奥さんの事を考えると、諦めて次の機会を考えてしまいます。でも渚ちゃんは産みたいという強い意志を持ってます。大人しい女の子から感じる強い意志ですから、間違いなく本当の気持ちです。身体と意思天秤にかける難しい選択になりました。)



 後日秋生にも渚の出産に関する事を説明した朋也。「俺はまだ不安なんだ。あいつも本当は

不安なんじゃないかと思う。明るく振舞っているけど、俺と同じ気持ち何じゃないかって。」今の自分の気持ちと渚も不安に思っている気持ちを告げた。「ちょっと付いて来い!」現状と渚の意思と

朋也の思い全てを聞いた後、秋生は子供達と野球をする空き地に向かった。「これは2年前の話の続きだ!俺が劇団員で、早苗が教師だった頃の話だ。」両親の秘密を知り、渚がショックを受けた時に朋也話した続きを秋生は話し始めた。熱を出した渚は、平静を保っていた。仕事で家を離れなければならなかった2人は、渚を放置して仕事に向かった。しかし追いかけた渚は、雪の中倒れた。命が絶望的になり、後悔した秋生は泣きじゃっくった。渚を抱かかえ無我夢中で走り出し、気が付いたら空き地に辿りついた。抱かかえながら命を助けて欲しい。秋生は祈り続けた

奇跡を願った。そして日が出てくると、渚を緑が包み奇跡が起きた。夢でもない現実に起こった出来事だから、ずっと秋生は空き地を訪れていたのだった。「祈りば必ず願いが叶うなんて事は

ありえねえ。だがぎりぎりまで力を尽くせば、そう悪い結果にはならねえだろう。産めって言っているわけじゃねえ。一番苦しんだ奴が決めれば良い。なあ小僧いや朋也、お前には苦しい事や

つらい事が待っているだろう。お前いや俺達ならそれを乗り越えていける。俺達は家族だ。助け合っていくぞ!」祈りは叶うとは限らない。それでも力を尽くし考え抜いた結果なら、皆で受け止めよう。初めて「朋也」と呼んだ秋生は、家族と認め困難を乗り越えようと告げた。(初めて秋生さんが名前で呼んだ。それは家族と認めた証拠です。渚には困難が待っているけど、どのような結論が待っていても、尊重して受け入れる。困難は皆で乗り越える事、それが家族だし絆なんだと思います。理想的な話だなって思いました。)



 夏が過ぎ去りとんぼが飛び交う季節になった頃、海を見に来た朋也と渚。「今赤ちゃん動きました。ずるっていう感じで!」おなかの中で新たな命が、動き出す感じに気付いた渚。その息吹を

おなかを触った朋也も感じた。そして新しい命が現実になる中、渚は名前を付ける事を提案した。「お前の名前を使おう。俺は苗字を与えるのだから。」最初は朋也の漢字を使おうと考えた渚に対し、渚の名前を使うべきだと主張した朋也。「それなら汐(うしお)というのはどうでしょうか?

海の水が高くなったり低くなったりする現象です。きっと人生にはいろんな事があります。けど時が経てばまた満ちて来ます。私は汐を見守っていきます。」人生は山あり谷ありだから、また時が経てばきっと良い事がある。そんな願いを込めて「汐」という名前を提案した。「岡崎汐か!大きな海のように優しさ持った奴になれるかな?今年の夏も海に行けなかったな。約束しよう来年は、汐と3人で海に行こう!」海のような広く優しい心の持ち主になって欲しい。それは朋也も同じ考えを持っていた。そこで3人で行けなかった海に行こうと約束して欲しいと願った。「約束します!」3人で海に行く。つまり元気な子供を産んで自分も元気になる。抱かかえられながら、朋也に約束した渚。困難に立ち向かう意志がそこにはあった。(優しさに溢れているお話ですよね。だから渚に襲い掛かる運命が、残酷でたまりません。3人で幸せになりたい。そんな小さな幸せが

叶って欲しいなって思ってます。しかし予告を観たらまた泣きそうな画が紹介されてました。悲しい最後にはなって欲しくないって思ってます。)