①あの店のプリン

  ウキウキ気分で学校から帰って来た冬馬。すぐさま冷蔵庫を開け、楽しみにしていたプリンを

探し始めた。「あれおかしいな?確かにここにあったはず。」入れていたはずのプリンを必死に探しても見当たらなかった。「どうした冬馬?」兄のナツキが様子を見に来ると、探し物のプリンを持ち食べていた。しかも固まる冬馬の前で、プリンを落としていた。「うああああああ!」大声を上げ

冬馬は怒り自宅を飛び出した。「今日泊めて下さい!」大きな荷物を持ち、泊めて欲しいと春香に哀願した冬馬。「どうしたんだ?」頭を下げて殊勝に頼む様子を見て、違和感を持つ夏奈と千秋の2人。とりあえずこたつに入り、事情を尋ねる3姉妹。「兄貴とケンカしたか?そうか図星だたったか!じゃあ家出の理由も当てようか!楽しみにしていた駅前のあの店のプリンを勝手に食べられたとか?」何も答えない冬馬に対し、ずばり家出の理由まで言い当てた夏奈。



 食べ物と店まで特定され驚き立ち上がる冬馬。「いろいろあるよね。事情は聞かないよ。」思わず同情する3姉妹。結局春香が、南家に電話をして事情を説明する事になった。「えっあなたがあの店のプリンを?良いですか駅前のあの店のプリンはですね、一言でプリンといっても。甘い物をなめないで下さい。」罪悪感の無いナツキは、同じ店のプリンなら良いと思っていた。しかし

それは春香にとっては許せない事実。ついに電話を一方的に切ってしまった。「甘いわよ!冬馬は家で預かる事にしたから!」冬馬の怒りの理由を理解して、ついに家出まで認めた。とりあえずお茶を入れようと台所に向かった春香。「さっき言ってた駅前の角のあの店のプリン。確か3つ

買ってあったよな?」話題のプリンが、冷蔵庫に3つある事を夏奈に確かめた千秋。夏奈も確かに3つあると認識していた。「あっプリン2個しかないわよ。」春香が持って来たのは2つだけ。こたつの上に置いてにらみ合う4人。



 その時ドアのチャイムが鳴った。「誰も出ないの?しょうがないなあ。」3姉妹はにらみ合いを続け結局客の冬馬がドアに出た。「いや久し振りタケル叔父さんだよ。」やって来たのは、従兄弟のタケル。しかし3姉妹はプリンに集中して、タケルを完全にしかとしていた。「忘れないで欲しいなあ。これお土産、駅前の角のあの店のプリンだよ。」まさにグッドタイミング。冬馬が待ち望んだプリンが入っていた。「実はさっき自分の分を3分の1食べたんだけど。」「そんあこったと思って3分の1食べました。」「夏奈の分だと思って、残りの3分の1を食べてやりました。」1つ亡くなったのは、3姉妹それぞれが3分の1ずつ食べたからと自白した。しかしタケルが買って来たプリンの数は3つあり、これで全員が食べられる事になった。「味わって食べろよ!」念願のプリンを前に嬉しそうな冬馬に対し、大切だから味わうよう言った千秋。そこにいた5人がそれぞれプリンを食べてハッピーエンドとなった。(食べ物の恨みは怖い。特に女性のスイーツ好きは、以上ですからね。別腹って言うほどですし、何はともあれ皆が食べられてよかったよかった。)



②おすそわけのりんご

  リュックをしょってウキウキ気分で南家に向かうユカ。「喜んでくれるかな?」リュックの中には

プレゼントがあり、喜んでくれるか楽しみにしながら。しかし応対した春香と夏奈の表情は、あまり嬉しそうでなかった。「ありがとう。これはジャムにしよう。」棒読みでとりあえず感謝した春香。りんごジャムに作り変えようとと考えた。「そのまま食べても美味しいよ。」喜ぶと思ってたが、冷たい反応する春香に食べ方をアドバイスしたユカ。しかし春香は何も言わず、台所に消えた。「あっ千秋内田からりんご貰ったぞ。」部屋に来た千秋にりんごを貰った事を伝えた夏奈。「内田悪いけど夏奈と遊んでて。ちょっと気分が悪い。」りんごと聞いて千秋の様子も変わり、そのまま姿を消した。「いや内田よく来たなあ!本当に良く来たなあ!」作り笑いをして、よく来たと感謝する言葉だけを語る夏奈。一心不乱にかつら剥きをする春香とベッドで横になる千秋。明らかにりんごのおすそわけを知り違和感を持っていた。



 「ちょっとトイレ行って来るけど、絶対にそのダンボール中を見ては行けないよ。」立ち上がりおもむろにダンボールを指さし、見るなと釘刺した夏奈。息を呑み見るか見まいか心揺れ動き始めたユカ。ついに辺りを見回してから、見るなと言われたダンボールを開いた。「まさかそんな!」

中には自分のおすそわけが、最もタイミングの悪いと考えるのに十分なりんごがあった。「見たね!見るなって言ったのに!皆楽しそうに差し出すから、私達は嬉しそうに受け取ったよ。」既に沢山のりんごのおすそわけを貰っており、流石にりんごはもう十分だった。「せっかくの贈り物だもんありがとう。ただ見たからには覚悟してるんだろうね。」感謝する言葉を言い、不安なユカを

安心させた夏奈。しかしその裏には本音が隠されていた。



 「よう夏奈。あれ内田も来てたのか!」遊びに来て夏奈に挨拶した冬馬。目の前にはばったり

倒れていたユカの姿があり、こたつの上には皿とフォークが置かれていた。実はりんごの量を減らす為に無理矢理食べさせられていた。空の皿を見て残念がる冬馬だが、春香が焼きりんごを

焼いている事を夏奈から教えられた。「やった焼きりんごなら5・6個は食べられるぞ!」りんごと聞いて笑顔満開になり喜んだ。しかし自宅に帰った時には、すっかり元気をなくし出迎えたナツキに心配されるほど疲れ切っていた。「これ春香からのプレゼント!」りんご1個ナツキに手渡した冬馬。結局もう1人兄アキラと長男を含めて、りんご1個の意図が分からず眺めるだけもう1つの南家。午後9時になり長男の判断で「焼きりんご」を元気の無い冬馬に食べさせる事が決まったのだが、焼きりんごは今の冬馬には最悪の食べ物なのは言うまでもなかった。(このお話は

相手に差し入れやおすそ分けをする時に、タイミングが悪いと最悪だよっていうお話です。差し入れてタイミングが良いと最高だけど、沢山あったり不要なものを送られた時には最悪!しかし相手は良かれと思って送った訳ですから、いらないなんて言えない。その様子をコミカルに表現していたと思いました。)