山百合会主催の舞台は、祥子の提案でとりかえばや物語に決定した。花寺学院の男子生徒も
参加して順調に稽古が進んだ。ここで祥子がもう一度別の提案をした。それは男役と女役の交換だった。祐巳達も驚きながら男役にチャレンジし始めたが、ただ1人手伝っていた可南子が
役を降りると言い出した。理由を尋ねた祐巳は、可南子が徹底して男性特に父親を毛嫌いしているからで、花寺学院の生徒と舞台に立ちたくない事を知った。更にもう1人手伝っていた瞳子にも新たな問題が浮上した。それは、本来所属していた演劇部の舞台若草物語を降板した事。祥子は演劇部に集中するべきだと、スールの祐巳から伝えるように命じた。
降板を勧めた言葉がやんわりしていたので、逆に瞳子の怒りを増す結果になった。最後は祐巳が取る八方美人の態度を批判した。素直に従わない言葉を聞かされた祐巳。それでも自分なりの解決方法を提案した。それは先輩のひがみから生じた喧嘩を収拾すべく、自分も一緒に謝罪する事。その裏には瞳子の才能を認め、山百合会の舞台にも参加して欲しい思いがあった。笑顔で話す態度を苛立つ姿勢を見せながら、祐巳の提案に従い瞳子は無事演劇部に復帰した。こうして懸案のトラブルが解決され、学園祭当日を迎えた。
案内係の生徒の声が響き渡り、入場チケットを持っている来場者を出迎えた。「私達は2年松組のアイドル。売って売って売りまくるぞオー!」法被を着て気合を入れて発破をかける由乃。しかし祐巳はノーリアクションだった。「なんでオーって言ってくれないの祐巳さん。」ドライな祐巳に
文句を言う由乃。今回は由乃の松組と祐巳の藤組が合同で、綿飴の模擬店を出店。2人は呼び込み係として大きな声で奮闘していた。「ハーイ蓉子お待たせ!」志摩子の姉だった聖が、校門前で待ち合わせをしていた祥子の姉だった蓉子と合流した。「遅いわよ聖、江利子は来ないって。あんまり由乃ちゃんの前に現れると可愛そうだからって。」遅刻した聖に文句を言ってから
令の姉だった江利子に電話して来ない事実を伝えた蓉子。頻繁に江利子が、由乃と会っている
のかどうか不思議に感じていた。(久し振りに見た蓉子様は大人びて、本当に19歳かよって
突っ込みたくなりました。元々祐巳とは全然違っていたけど、大学に行って更に磨きが掛かった
感じがしました。聖様はいつも通りさばさばしてましたけど。)
その時塀をよじ登ろうとする高校生ぐらいの少女を発見した2人。「やめなさい!何してるの。別にあなたをどうこうしようとするつもりは無いわ。ただ塀を登るのは、無理っていうアドバイスを
したまでよ。」「大丈夫あなた何者?」注意するとアドバイスする蓉子の声が響き、暴れる少女を抑えた聖。「離して下さい。私どうしても中に入りたいんです。私ここの生徒の身内なんです。ただクラス名が分からなくて。名前は夕子、細川夕子といいます。」どうしても身内に会いたい一心でチケットが必要なりリアンにやって来た少女細川夕子。実は可南子の父親と結婚した義理の姉だった。「この娘誰かに似ている?」祐巳にそっくりだと気付いた蓉子。聖と一緒に3人で学園祭に参加する事になった。一方学園祭は多数の来場者を迎えて大盛況だった。しかしたった1人
チケットを3枚持ちながらたたずむ一際長身の可南子がいた。一緒に呼び込みをしていた由乃に
席を外す旨を言った後、祐巳は可南子の元に歩み寄った。
「可南子ちゃん随分チケット余ってるね。ご家族の方いらっしゃらなかったの?」チケットを持っていて不思議に思い尋ねた。「ごめんなさい失礼します。」逃げるように去って行った可南子。今度はそこに瞳子が近づいて来た。「瞳子ちゃんよかったら食べていって。これ私のおごり!」お客さん対応している由乃が、歯をむき出しにして怒ってる姿を見て急いで戻ろうとした時、フランクフルトの食券をプレゼント使用とした祐巳。「そうはいきません。おいくらですか、奢ってもらう理由がありません。」素直に受け取らずお金を払おうとする瞳子。「理由は劇を手伝ってくれたお礼。
後で瞳子ちゃんのクラス展示も観に行こうと思っているんだよ。」祐巳なりの理由を説明すると
案内すると言い出した瞳子だった。しかしそこに新聞部の真美と写真部の蔦子が登場。学校新聞「リリアンかわらばん」用の写真撮影をする為に引っ張って来た。由乃と共に笑顔で撮影に応じた祐巳だが、瞳子をほっとらかしにした事に気付いた。「お取り込み中だから失礼しますって。それからご馳走って。」係員の生徒から事情を聞いてがっかりしたが、食券を受け取ってもらい
話が通じたと思い祐巳の顔に笑顔が戻った。(可南子と夕子と父親の関係が今回最大の物語になりますけど、祐巳と瞳個の関係も気になる。瞳子は素直に感情を出せず、プライドが高いからツンツンしちゃう。典型的なくぎゅキャラ。だけど祐巳の笑顔がとても素敵だったので、ちょっとはデレっとしたかんじがしますね。)