父陸郎が文化祭に来ると思い続けた大河。プロレスショーでは大立ち回りを演じ、ミスコンでは

生徒達を魅了してグランプリに輝いた。しかし観に来て欲しい人は現れず、竜児にメールを送り断りの連絡をして来ただけ。1年前実乃梨にした仕打ちと同じだった。福男を目指すサバイバルレースの中で、見抜けなかった自分が愚かだったと気が付き、大河の為に必死に頑張り、竜児に嫉妬した実乃梨も最後はアシストして見事優勝した。父親に裏切られ傷心の大河を励まし、周りには仲間がいる事を教えてあげた。



 こうして文化祭は終了したが、大河の周りである異変が起きた。「逢坂先輩ありがとうございます。」手を繋ぎながら大河の触って来た1年生カップル。それが達成すると感謝して、嬉しそうに

去って行った。一体何が何だかさっぱりの大河と一緒にいた竜児。それが教室に入ろうとすると理由が明らかになった。いきなり大河の名前を叫んで、突っ込んで来た久光と浩次。他のクラス

メイト達も大河に向かって奇妙な眼差しを向けていた。「えーい汚らわしい」「何なんだよ一体?」

カップルと言い、クラスメイト達といい自分に触りたがる理由が分からず避ける大河。理解出来ない竜児。「こういうジンクスって亜美ちゃん信じないんだけど。ほーらやっぱりデマじゃん。早速不幸が訪れているんですけど。」大河を上から押さえつけた時浩次と久光にパンツを見られた亜美。大河にはスカートに自分の鼻くそをつけられた。



 「こないだの文化祭でウチのプロレス興行を観に来た奴が、タイガーにラリアットされたり頭突きされた奴が、幸せになっているらしいんだ。」竜児から事情を尋ねられ、今大河に触った生徒が

幸せになっている「しあわせの手乗りタイガー伝説」が流行っている事を説明した久光。「馴れ馴れしくするな。何人たりとも私には触らせねえ。」早速触ろうとした浩次に鉄拳制裁を食らわせた

大河。しあわせの手乗りタイガー伝説を実現するのは困難だった。そこに何も知らずに登校して来た実乃梨が朝の挨拶をしながら登場した。「みのりーん私に触れるのは、みのりんだけだ。」自分から抱きつきに行った大河。一方竜児は文化祭の大河に襲い掛かった不幸を考慮して、もし他人を幸せにしたのなら皮肉な話だと思い始めた。(大河が陸郎に裏切られて、悲しい思いをした悲劇の主人公。しかしそれが触ると他人を幸せにする手乗りタイガーにされたら、ずっと間近で見ていた竜児もかわいそうだと思いますよ。当事者だから分かる心境だなって思いました。)



 大河が竜児に弁当を渡すように要求していた頃、女子生徒達が竜児の噂話をしていた。「高須君皮肉だよね。触ると幸せになれる逢坂さんの近くに居たのに、文化祭であっさり丸尾に取られちゃってね。」一番近くに居た竜児が、彼女だと思われている大河を祐作に強奪されたと思われていた。「可愛そうにねえ。北村君に私を奪われちゃったんだ。私人間だし、あんたを捨てちゃったららしいしね。さあ席に着かないと独身が独身面下げて来るわよ。」女子生徒達の話を都合よく解釈して、機嫌よさそうに弁当を受け取った大河。昼休みクラスメイト達に狙われており、周期に気を配りながら弁当を食べていたが、祐作が来ると態度が一変。文化祭の噂話を持ち出されると、思わず弁当を飲み込んでしまった。「私コーヒー牛乳はいや。オレンジジュースが良い。」

とりあえず飲み物を飲ませようとした竜児に対し、無理難題を要求した大河。結局自動販売機

まで買いに行く事になった竜児。そこには電話をしていた亜美がいた。(大河噂がされたのが嬉しくてウキウキ気分。竜児は微妙に思いながらも、投書の目標通りになって多少よかったと考え始めてます。ゆりちゃんは、独身面を揶揄されて絶望のどん底です。良いじゃないですか中の人も三十路だしコラボできるんだから。)



 電話が気になり声を掛けた竜児。「なあに電話気になるわけ?何ジュース子供みたいね。」触れて欲しいとサインを送った亜美。「別にどうでも良いけどよう。俺のじゃねえ大河のだ。」無関心な態度を取った竜児。しかも自分の飲み物ではなく大河の為だと言ってしまった。それにむっとした亜美が、悪戯してブラックのコーヒーのボタンを押し、不満を残しながら立ち去った。「どうしてくれる、水道水飲んじゃったじゃないの。」竜児の遅さに業を煮やし、飲みたくない水道水を飲んだ

事に怒り背後から蹴りを入れた大河。その時突然コーヒーを顔面にぶつけられた。「ごめんなさい、俺逢坂先輩とお近づきになろうと思って。俺好きな人が居て、上手く行きたいと思って。」おどおどしながら話し掛けて来たのは、1年生の生徒会メンバー富家幸太。「行って来い!天国に

行って来い!」幸太を一喝して追い払った大河。昼休み中に文化祭の写真が掲示されており

まだ昼食を食べてない竜児を無理矢理連れて行った。(亜美はヤキモチ焼いているのがわかるけど竜児は気付いていない。それとも気付いているけど、あえて答えようとしないのか?こう言う所って駆け引きだし、サインを出しているんだけどなあ。幸太君は上手く行けば良いけど、大河に触るのは恋愛が成就するより難しいかも。)



 「俺は大河に誰よりも触っているのに、もっと幸せになってもいいのにな。たく幸せそうな面で

映ってやがるぜ。」祐作と手を取り合う写真を見ながら、自分にも幸せが来ても良いと考え始めた竜児。「133だぞ間違えるなよ。でもすげえ良い写真だな。」大河の笑顔が輝いており、素直に良い写真だと褒めた。そこに超高速に写真を選んでいる実乃梨の姿があった。「俺は90円を生贄に9枚のカードを召喚するぜ。更にリバースカードをオープン。召喚魔法イマミツケタを発動。

ソフト部の後輩と映っている93番をコスト10円で召喚した。次は高須君のターンだ。」カードゲームに例えて、選んだ写真を見せ合おうと誘って来た。恥ずかしそうにしている竜児が選んだ写真

中には、一緒に手を繋いでゴールした福男レースで撮影された85番があった。「私もこの写真買おうかな。」互いに赤面しながら、実乃梨も交流した85番。それぞれ写真にこめられた想いは

人それぞれ違う。実乃梨も85番の写真を見ながらそれを感じていた。



 「写真ぐらいで騒ぐなんて子供よね。私なんて撮られるのが仕事だし、日本中で見られている訳だしね。その写真にどんな想いをもっていようと、たかが写真なのよ。」騒いでいる生徒達を尻目に実乃梨に話し掛けて来た亜美。見られ撮られるのが仕事だから、写真を見る人が持つ想い

なんて別に重要ではなかった。「流石あーみん先生、大人の余裕ですなあ。」ドライに考えられる

亜美は大人だと感心した実乃梨。実際麻耶と奈々子と一緒に帰る途中、独身三十路だと馬鹿にされ落ち込むゆりに対して、ブランドの服だと指摘して「大人の魅力がある。」と褒めた。「川嶋さんあなたって本当に良い子ね。」泣いて喜ぶゆりの姿を見ながら、自分は「大人」だと改めて自己理解するのだった。(亜美はもう社会に出ている。子供は自分の事だけでいいけど、大人は

客観的に物事を見る必要がある。それが具現化するのは気配りや配慮という形。ゆりのつらい

部分を理解して、どうしたらいいか考えて行動するのは大人だと思います。ただそれに嫌気が差しているのも事実。無邪気になれず、ドライでいるのがその証拠だと感じました。)



 放課後竜児に夕食のリクエストをした大河。「お前肉しか言わないじゃないか。バランスを考えろよバランスを。」反論した竜児だったが「最近気が大きくない?みのりんと手を繋いでから。やっぱり買ったのね。」大河に痛い所を突かれた。当然面白くないから、大河も祐作と一緒の写真を買ったと言い張る竜児。「彼女って言われたしねウフフフ。」今の大河には、それは批判ではなく褒め言葉だった。しかし再び幸太が近づき、転んでスカートの中を見られると「またお前か?しかも私のスカートを・・・・・」逃げる相手を追いかけた大河。「噂でも嘘でもいい、確信のないものに頼ってみたい。わからなくもねえなあ。」追いかけっこしている2人の様子を見た祐作から話を聞いた生徒会長のすみれ。祐作も驚く人にすがる事を肯定する発言をした。そして改めて祐作に

話がある事を告げた。その頃亜美・麻耶・奈々子は、スドウバックスでお茶していた。「タイガーも丸尾と幸せになっちゃうし。」祐作に恋する麻耶が落ち込む中、ハッピーな関係が出来上がっているという発言をした奈々子。「一緒に踊っただけでしょ。別にタイガーが丸尾を好きなわけ無いじゃん。亜美ちゃんはいいよ、恋愛がらみだったらどんな願いも叶えられるしさ。」自分は上手く行かず、ジンクスを信じない亜美は恋愛なら絶対に上手く行くとやっかむ麻耶。すると外に何かを見つけてにやりとした亜美。そのまま店を出て竜児が、いるスーパーに向かった。(あのすみれが改まって祐作に何を話すのか?生徒会長の後釜を任せるのか?それとも別の理由があるのか?とても持てる祐作争奪戦の様相も見えてきたので、これはこれで面白そう。)



 「1枚1800円?真剣に悩むのもいいけどさ、万引きGメンにマークされてるよ。値段に悩んでいるなら、ちゃちゃっと逢坂さんに触って来たら?知らない爺さんの遺産が、転がり込むんでしょ?」牛と豚のパックとにらめっこの竜児に声を掛け、大河に触って解決したらどうかとアドバイスした。「なあ大河に触ると幸せになるんだよな?本当だとしたら大河自身が、幸せになるとしたらどうしたら良いのかな?」竜児はジンクスが本当なら、大河も幸せになる方法は何か考え亜美に

質問した。「もう幸せでしょ!腹いっぱい食わせておけば文句ない。」大河の笑顔を見て、幸せだと感じた亜美。とりあえず喜ぶのは量だとアドバイスした。結局豚肉に決めて、御礼に余りそうな

パックをプレゼントした竜児。「豚に食っておけって。ビタミンB2足りてねえだろ?朝から元気なかったし。お前菓子ばっかり食ってるんだろ?ほんと子供だよな。」体調を心配して、お菓子ばっかり食べる亜美の幼い部分を指摘した。(自分は大人だと思っていたけど、ある部分では子供だと指摘された亜美。どっかクールな部分もあるけど、お菓子ばっかり食べる子供の部分もある。

アンバランスさが強調されるシーンでした。しかしスミレの話を聞いて、大河にすがるほど祐作は

元気がなかった。一体何があったのか?大河がてんぱったのは面白かったですけど。)



 先に帰っていた竜児は、既に料理を作っていた。実は大河が、陸郎と一緒に行ったレストランよりも美味しい物を作って、嫌な思い出を忘れさせようと考えていた。「バッカじゃない、本当にどうでもいいのに。」竜児が考えている以上に大河には、既に陸郎は過去の存在になっていた。料理が出来て泰子に「手乗りタイガー伝説」の事を説明した竜児。「やっちゃんねえ、こうやって大河ちゃんをなでなで出来て、皆で美味しいご飯が食べれるのが一番幸せなの。ウチは3人家族なんだから。」思いっきり大河に抱きつきながら、自分の幸せと家族の大切さを告げた泰子。抱きしめられた大河は、今まで感じなかった家族のぬくもりを感じ始めた。亜美は母親に引越しをやめて、大橋高校に通い続ける意志を伝えた。それぞれが願いを持っている。何を願うのか迷っている亜美。今は願いの形が明確ではない実乃梨。当の本人は願いがある意味実現して、幸せを感じながら泰子に抱かれていた。(亜美は大人びているけど、まだ明確に何を求めているのか迷っている。それは竜児という存在に対して迷っているのでしょうか?祐作は何を求めようとしているのか?幸せを求めるのは人間の性なので、これからは幸せというのがキーワードになるのかも

しれませんね。幸太君も会長の妹と上手く行ってよかったです。)