ナギが姿を消し探し回った仁。しかし見つからず、自宅には「騙していたすまぬ」という内容の

置き手紙があった。突然居なくなりしかも自分を騙していたと言われ困惑したまま夜が明けた。その頃ナギは、仁が訪れた神薙神社の管理人を務める上森家に身を寄せていた。「おい母さん

あの家出娘いつまで置いておくつもりだ?」ナギの処遇を確認する主人。「もう少し様子を見ましょう。おばあちゃんの知り合いらしいから。どうだいお家に帰れそう?お家の人も心配していると

思うわよ!」祖母シゲの知り合いなので、様子を見ようと答えた婦人。ナギに対して大丈夫なのか確認した。「わらわは恥ずかしい!よくも今までこんなギリギリのバランスで。面倒見るのは

当然などと言えない。」仁に対して言ってきた事が、現状では恥ずかしく情けない事だと思い込み積年の念に苛まれていたナギ。結局きっかけがなく帰るに帰れないのだ。(プライドが高いんですね。自分は神様だなんて言っちゃったから、弱い部分を見せられない。自分で自分を追い込んでいる感じがしました。こうなるとナギを受け入れるかどうか、仁に掛かってきます。)



 「出て行ったって、見つからなかったの?警察には?」ナギが居なくなった事を知ったつぐみ。仁に事情を確かめた。「見つからなかった。もう良いんだ!お前には関係ないだろう。」ナギを探す事を諦め、もう帰ってこなくてもいい投げやりになり、仁は靴をカバンに投げつけ学校の中に入って行った。雨が降り続く中つぐみは、授業が終わると貴子と紫乃に呼び出された。「ナギ様どうなってるの?今日もお休みみたいですけど。御厨昨日ちょっと様子が変だったのよ、何か事情を知らない?」仁の様子について、あえて本人ではなく空気を読んでつぐみに尋ねた2人。「あたしもよくわからないんですけど、あんまり心配しなくていいんじゃないですか?また前みたいにナギさんすねただけだと思うんです。」別に心配せずしばらくすれば帰って来ると楽観論を口にしたつぐみ。「まあ姉弟だしね。あの2人の事ですから、あまり口出しする必要はないのかも。」つぐみの言葉を真に受け、これ以上の詮索をしなかった。(心配しているにもかかわらず、つぐみは楽観的に答えました。嘘を付いて誤魔化そうとした感じがしました。仁の投げやりな態度を見てだと

思うのですが。)



 夏目漱石の「こころ」の一文「あなたは恋で動いているじゃ在りませんか?」が朗読された時

幼馴染み仁が脳裏に浮かんだつぐみ。体育の授業でもヘトヘトになっていた仁の帰りを校門の

前で待っていた。「あいつは自分の意志で出て行ったんだ。俺が今更止める権利なんて無い。」

公園のブランコに座り、改めて事情を聞かれた仁。ナギは自分から出て行ったから止める事を

せず、居づらくなれば他に行ったのだと勝手に解釈していた。「はあああんた何そんな馬鹿な事言ってるの?そんなの意地張って帰るに帰れなくなっているだけに決まってるじゃない。仁の家以外行く所ないんだよ。家族だって言ってた、普通言わないよこんなこと。追い掛けて来て欲しいんだよ。今頃帰りたがっているって。」ナギは意地張っているだけ。家族という言葉を使うほど仁を大切に考えているから、帰りたがっていると主唱したつぐみ。「本当は帰って来て欲しいん

でしょ?でも向き合うのが怖いから逃げているだけなんでしょ?ナギさん言っていたよ!迷った時は感情と直感で行動って。」仁の心境を読み取り、もし迷っているなら行動すべきだとも強い口調で仁に迫った。自分が勝手に解釈して諦めていた。本当はどうしたいのかそれを考えた結果、仁は自転車を一心不乱にこいで、再びナギを探し始めた。(つぐみが決断したのは、仁に対する自分の気持ちを認識した時です。仁の事は幼馴染みだから好きとかそういう感情は、自分には無いと言い訳していたけど、初めて向き合おうとしました。つぐみも自分に正直なった。だから仁が

自分に正直になって無い事が理解できて、励ましたんだなって思いました。)



 ナギのファンサイト掲示板に書かれた目撃情報をつぐみが、リアルタイムで仁に伝えた。ナギにはファンが多く、情報は直ぐにアップされる。それを利用した可能性が高い情報を得て、仁は

感謝と共に希望を見出した。「だって毎日毎日楽しかったんだ。」得体の知れない人物だと言われても、ナギと過ごした日常は楽しかった。だからナギを探したい正直な気持ちに向き合った仁。ついに河原でナギと再会を果たした。「騙してたって何だよ?別に騙すつもりじゃあなかったんだろ。時々記憶が途切れる事も、分からなくて隠そうとしたんだ。でもそんなのはどうでもいいんだ。俺はナギを神様だって信じる。お前が覚えてなくたって、俺は子供の頃に会っている。その記憶を大切にしてここまで来たんだ。」仁は逃げようとしたナギの腕を掴んだ。自分は神だと嘘を付き騙していた。記憶が途切れ自我を失う時があった。それでも仁は子供の時の記憶を忘れず、ナギを神様だと信じた。(仁の正直な思いが込められてますね。思いに正直になるって結構難しい事だと思うのですよ。それをつぐみの励ましがあったから、自分に正直になれたのだと。)



 「わらわは神だと。でもそれを裏付けられない。自我を支える自我が不足している。あいまい・欠落・わからない。何じゃこの脆弱な自我は。今まで良くプライドを張り子にして!」自分は神だと思っていたナギ。しかしそれを証明する自我が不足している。行動に対するあいまいさや記憶の欠落。アイデンティティを保てず自信を失っていた。だから騙していたと言って、仁の前から姿を消そうとした。「探そう!記憶が途切れても俺は、お前を見ている。一緒に探そう、きっとお前の不安の正体が見つかる。」1人で駄目なら、一緒に探そう。仁は自分が居るから不安を探して解決しようと言い聞かせた。その言葉は今まで強気だったナギの心を溶かし、涙という感情を

表に出させた。(初めてナギも不安を口にした。それを陣は受け入れて、一緒に探そうと言ってくれた優しさ。それがナギには嬉しくて、初めて弱さを見せた。神であっても人間の姿をしているならば、やっぱり感情はあるしつらい事も嫌な事もありますよ。それがよく表現されてますね。)


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