年号が正化に代わった頃の日本。「メディア良化法」と呼ばれる法律が制定された。公序
良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まるのが目的。取り締まるのは各都道府県にメディア
良化委員会が、代執行機関として設置した「良化特務機関」であった。公序良俗に反する、出版物・映像作品・音楽作品を取り締まり、小売店に対する入荷物の検査。版元への流通の差し止め。マスコミに対する放送中止や訂正の強制。インターネットプロバイダーに対する、削除命令
などが主な任務。しかも基準はケースバイケースで変わり、抵抗する者には武力の行使も許されていた。表現を制限された世界なのだ。
メディア良化法の名の元における検閲に対し、図書館は唯一対抗できる組織として、図書館の
自由法を制定。防衛組織として、正化16年に発足した組織が「図書隊」であった。業務を担当する図書館員、検閲から図書館を守る防衛員、蔵書・戦闘の準備を行う後方支援部の3つに分けられる組織である図書隊。特に防衛員の中で、精鋭を集めたのが「ライブラリー・タスクフォ
ース」と呼ばれる特殊隊員!大規模戦闘まで行う、特務機関に対抗する組織なのだ。
主人公笠原郁は、高校時代大好きだった、童話が10年振りに発売され、書店に購入しに
行った。しかし「通達書だ読め!これより良化法第3条に基づく検閲を行う。一切の図書を店内から移動させるな。」機関の検閲官が、検閲にやって来た。良化法では認められない本は、まるでごみのように集められ、都が買おうとした本も含まれていた。「検閲の対象図書に含まれて
いる。」検閲官に取られると思い、童話を隠した郁。しかし発見され万引きで警察に突き出されそうになった。「あたし万引きしたから、この本と一緒に警察に行く!」郁は取られそうになり
ながらも、決して歩運を離さなかった。そこに関東図書隊の男性が現れ、窮地を救った。図書隊員の男性を「王子様」という羨望の眼差しで見つめ、いつか遭えると信じ、郁自身も図書隊に
入隊した。(猪突猛進タイプのヒロインですね。ただなんかやらかす気がします。)
時は流れ正化31年。関東図書隊の関東図書基地で、厳しい訓練に必死で付いて行く都。
「腕下げるな笠原!」鬼教官堂上篤が、重い銃を持ちながらランニングする郁に、厳しい檄を
飛ばしながら指導を行っていた。「絶対あたしの事、目の敵にしてるってあの糞教官!」郁は
昼食時、堂上に対してのイライラを、ルームメイトの図書士柴崎麻子に愚痴をこぼした。「あたし
結構好きだけどなあ。結構格好よくない?」堂上に対して好意的な麻子。「あんなチビどこが
いいのよ?とにかく奴は論外よ。性格だって悪いし。」麻子の言葉が信じられない都は、堂上
が性格が悪いと一刀両断した。(全部ぶちまけると後で、本人に聞かれるのがお約束!ただ
郁が夢を叶えたのに、危険な仕事に付いた事を、両親には言えないのは、つらいと思います。)
「どうなの彼女?」同期の小牧幹久に都に付いて聞かれた堂上。「化け物だな!」体力だけ
なら自衛隊でも通用するという、意外な評価をしていた。(どうやら堂上は期待しているから、女子の都に厳しくしているみたいです。)夜柔道の練習で、堂上に十字固めを決められた郁。また麻子にいらいらをぶつけていた。「礼儀知らずの山猿にも、最後の優しさを忘れない大人の対応ね。」十字固めを完全に決められたら、腕が使えないはずだと知っていた麻子。堂上が手加減
していたと指摘した。
「あんたまだ防衛部配属、親に言ってないんでしょ?タスクフォースに配属されれば、図書館
業務もこなすから誤魔化せると思うけど。」麻子は郁の両親に配属を言ってない事を知って
いた。しかも第一志望が防衛部である事も。「どうして防衛部を志望したの?」改めて都に志望
理由について質問した。山猿と揶揄されるほどのお転婆な郁。乙女チックな理由で志望した
事は言えないが、大切な思い出の本を片身離さず持ち続け、本を守ろうと決意したのだ。(正義感から志望したのは、とっても格好いいと思いました。ただ仕事に私情を挟むのは、まずいと
思いますよ。いくら憧れているとはいえ。)
教育実習中館内を小牧から館内を案内された郁。座学が苦手で講義中も寝てしまい、小牧から笑われながら「堂上には黙ってあげるよ!」などと言われていた。(話を聞いていなかった事が
後で大問題になった。)「なんであたしだけ?」都は、堂上が自分を目の敵にしていると感じ、思わず小牧に文句を言った。「それだけ期待されてるって思えない?」笑顔で期待の裏返しだと
答えた小牧。それでも郁にはその言葉は理解出来なかった。
堂上と図書館を歩いていた郁。何かを抱かかえながら、歩いている男を発見。要注意利用者だと察知した。「職質掛けてみろ!」小牧に言われトイレまで追い掛け、雑誌のグラビアを切り抜こうとした時「あんた何やってるの?」背後から声を掛けた。男はビクっとしながら、持っていた
カッターで都に襲い掛かった。それでも普段から鍛えている郁にとって容易い相手。簡単に倒し
後からやって来た小牧に「確保しました!」自信満々に答えた。
「アホか貴様!」再び立ち上がり襲い掛かる男を見て、思わず叫んだ堂上。顔を殴られながらも馬乗りになり、手錠をかけ正式に確保した。座り込んだ都を立ち上がらせた後、一発平手打ちを食らわし「犯人も拘束せず何が確保だ!いつまでもスポーツ気分なら辞めちまえ。」中途半端な行動をとった郁を一括した堂上。図書隊員としての責任を叩き込んだ。夕方部屋に戻った郁。
自分の軽率な行動対して情けない気持ちを抱き、完全にへこんでいた。「堂上教官確保者の名前あんたにしていたわよ。認める所は、認めてくれたんじゃないの?」麻子から堂上が、確保者名を自分だと教えられた。
その後男女共用スペースで、ビールを飲んでいた堂上と会った郁。ついつい憎まれ口を叩き
ながらも「柴崎から聞きました。どうして確保者の名前あたしにしたんですか?」聞きたかった事を質問した。自分が確保した訳ではないから、資格が無いと考えつい涙がポロリ。それでも何も
語らず立ち去ろうとした堂上に「あたし辞めませんから!」自分の意思を語るのだった。(堂上は
ちゃんと責任を取ればいいと教えました。次から都がちゃんとすれば良いと、言いたかったのだと思いました。)
翌日防衛部特殊部隊隊長の玄田竜助と共に、市街哨戒に出た郁。「あいつ相当へこんで
いたな。あわゆくお前を負傷させる所だったって。」玄田から堂上が、へこんでいた事実を告げ
られ、驚きを隠せなかった。そんな時メディア良化隊の車を発見。不意討ちで書店を検閲する
のが、良化隊の常套手段。郁をそれを止めないと思い、玄田に進言した。「早まるな。俺達は
正義の味方じゃない。」焦る郁を諭す玄田。しかし幼い子供が、良化隊員に絵本を取り上げられたのを見過ごせず、制止も聞かず書店に行ってしまった。(正義感が仇になってしまうのか?これもよくあるパターンの話ですね。)
検閲官から本を取り上げ「こちらは関東図書隊よ。一等図書士の権限として、見計らい図書とする事を宣言します。」検閲官達に自信満々にタンカ切る郁。しかし検閲官達は笑いながら「見計らい図書の権限は、図書正以上にしか認めれてないはずだが。」郁に権限がない事を告げ、本を取り上げようとした。必死に抵抗しながら、高校時代に味わった記憶が蘇って来た。
「こちらは関東図書隊だ!二等図書正2名と三等図書監1名文句はあるまい。」あの時と同じ
タイミングで現れたのは、連絡を受けた堂上と小牧そして玄田。絵本は見計らい図書となり、検閲官達は引き上げ、無事問題は解決した。「貴様良化隊ごときに突っ込まれやがって!座学で
何を聞いてやがった。」堂上からこっぴどく怒鳴られる郁。それでも堂上は、本を見計らい図書と
して図書隊が買取、少女に渡す事を許可した。(馬鹿呼ばわりしたけど、都の憧れの人の行動も
ちゃんと理解している人。人間が出来ている堂上さんでした。)
訓練が終わり郁の配属先が決まった。男勝りの体力が認められ、ライブラリー・タスクフォース
に配属されたのだ。驚く都の活躍は、これからです。失敗続きで憎めないキャラと厳しい教官の
どたばた物語!いよいよスタートです。
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