ロレンスはミローネ商会から報酬として受け取った胡椒を、貨幣に替えるべくポロゾンという街
にやって来た。ラトペアロン商会を訪れ、胡椒を天秤で量り45個分、つまりリュミオーネ金貨45枚分の値が付いた。その取引に満足したロレンス。渉成立かと思われたが、ホロが「のどが
渇いた。」と言い出し、飲み物を貰うとそれはぶどう酒!店主は客を酔わせて、天秤の分銅の
数をごまかし自分の利益にしていた。ホロは店に入った途端、匂いに気付いていたのだ。
店主が誤魔化していた事実を知り、ロレンスは信用買いで胡椒の価格の倍の武具を購入。
教会都市リュビンハイゲンに向かった。しかし道中「傭兵団」と呼ばれる、武装集団が北から
来ている情報を掴み、遠回りの迂回路に回る事なった。すると途中でホロが嫌悪感を露に
した。そこには狼の天敵である、羊飼いの美少女が立っていたのだ。
美少女の名前はノーラ・アレント。ロレンスを祈祷し代金を受け取った。ロレンスはそのまま立ち去ろうとするが「あのこの道の事は、どちらで聞かれました?」ノーラは呼び止めた。「つい先日ポロソンの酒場で。」ロレンスは場所と狼についても聞いていると答えた。ちょっと悩むと
「私を雇って頂けないかと?私は羊飼いです。羊を育てるだけではなく、狼を追い払う事も
出来ます。」突然ノーラは、自分を狼から身を守る羊飼いのボディーガードとして雇って欲しいと
言い出した。(えっなんでそんなハーレム展開になるのですか?)
「ちょっと連れにも聞いてみます。」即答を避けホロに相談するロレンスは、羊飼いとして腕が
立つのならば、雇う価値はあると考えていた。「わっちがおるではないか。」不満そうに返答
するホロ。更にロレンスは、羊飼いが狼から身を守る行為が、新たな商売の可能性も見出そうとしていていた。「人間のオスは、メスが何匹居てもいいのじゃからな。」皮肉たっぷりに、ノーラを
見て答えるホロ。「色香に惑わされた訳ではない!大体お前の方が断然可愛いじゃないか!」
溜め息を付きながら、よいしょするロレンスの言葉に、納得したホロ。これでノーラを雇う事が
決定した。(ホロは女の子扱いされると、デレになるのでしょうか?)
ロレンスが腕前の評価を求めると「わっちならあの羊を狩れる。だが並の狼でも、束になっても軽くあしらわれるじゃろう。犬の扱いに長けている。厄介な羊飼いというのは、賢い犬を持ち、犬と呼吸が合っている物じゃ。あれはその2つを満たしている。」年齢は若く将来の可能性は、狼とっても非常に厄介な存在になると、上の中という高い評価を下した。
「主よ本当にあれを雇うのかや?」再度ロレンスの意思確認をするホロ。その意志を固めて
いたロレンス。「あれを雇ういう事は、しばらく共に旅をするという事じゃろ。嫌という事はありんせん!」ため息をつきながら、渋々了承するホロ。「リュビンハイゲンまでの2日間。本当に羊飼いが狼から身を守れるか?それを試すだけだ。悪いが辛抱してくれ。」あくまでも2日間、羊飼いが護衛として役に立つどうか、確かめるだけと主張するロレンス。
「何を辛抱するんじゃ?わっちは構わんが、困るのは主ではないのか?もしわっちの事がばれたらどうする?」ホロは同行は認めるが、自分の正体がばれる可能性を忘れている事を指摘
した。面目なさそうに謝るロレンスに「本当はこう言って欲しかったのじゃろ?わっちは主と2人っきりがいい。このたわけ!」ホロは更に痛烈に皮肉った。(本当に女に弱いなロレンス。全部
ホロに見透かされている気がします。)
とりあえずリュビンハイゲンまでの2日間の同行を了承されたロレンス。早速ノーラに代金を
渡し、もし狼から身を守った場合、更なるボーナスを渡すという条件を提示した。「おっお願い
します。」最初は呆気にとられながらも、条件を受け入れ契約は成立した。
ノーラは羊飼いになって4年。犬のエネクを拾ったのが、羊飼いなったきっかけだ。それまでは修道院に住み込み、貧民救済員として働いていた。その時から「自分で仕事が出来れば。」と
ずっと考えていたのだ。そんな時に出会ったのが、傷つきうずくまりながらも、杖を持っていた
エネク。「まさに神からのお導きです。」幸運な出会いに感謝し、仕事を始めたのだ。(ずっと
話をしている2人。ホロはずっと寝たふりをしていました。やっぱり面白くなさそうです。)
「しかし羊飼いの方に護衛をしてもらえるとは驚きましたよ。普通しないでしょこんな事。」率直な感想を口にするロレンス。「誰かと話がしたくて。それにあたし服の仕立て職人になりたくて。
組合加盟費とか必要ですし。」自分の希望と、将来の夢の為に人がしない事をして稼ごうと
するノーラ。現状羊飼いの縄張り争いが厳しく、商人の護衛をした方が良い商売になる状況
なのだ。(狼は厄介ですからなんて言ったら、ちゃんとホロに聞かれていて、太ももをつねられる
ロレンス。狼の悪口は言わない方が良いですね。)
夕方になりノーラは、夜通し羊の見回りを行うので、早めに休む事になった。「あなたの仕事
振りは凄いですね。実に見事だ!あれだけ脳でなら、もっと沢山の羊を任せられてもいい
のに。雇い主を代えれば良いのに。」ノーラの羊飼いとしての能力を高く評価するロレンスは、
今の雇い主を変更すべきではないのかとアドバイスした。「いえこれだけでも神様のご加護
ですし、沢山の羊なんて私には・・・・・」謙遜するノーラの雇い主は、教会の司祭だった。商売柄
損得で物事を判断するロレンスは、前言を撤回。リュビンハイゲンで、知り合いの商人に「副業」という名の護衛が、必要かどうか聞いてみると約束した。(雇い主が教会の司祭ならば、この時代背景ならば最も安定しています。でも副業ならばいいんじゃないですか?)
辺りはすっかり暗くなった。「随分話が弾んでおったようじゃな。」ノーラとの会話の様子を
ずっと聞いていたホロ。「向こうが話したいと言うのだから。それに普通の娘との会話は久し振り
だったしな。」笑顔で語るロレンス。しかしホロはノーラがロレンスとの会話を嫌がっていた事に
気付き、嫌味な一言を洩らす。「まあそれもありだろ。いきなり一目惚れされたら、徐々に好か
れる楽しみが無くなる。どうだ俺もありだろ!」さりげなく格好付けるロレンス。その様子を見て
「似合わさ過ぎじゃ。」ホロは腹を抱えて大笑いした。(格好付けるのは、全然似合わないね!)
翌朝リュビンハイゲンの入口までやって来た3人。ノーラが教会の仕事を任されている為
通行書を受け取る時間が大幅に短縮出来感謝するロレンス。約束の報酬40トリ渡したが、実際の価値は45トリーだった。「がめつい商人の投資ですよ。腕の良い羊飼いとつながりが
あれば、羊毛取引で思わぬ儲け話にありつける可能性がありますかね。」ロレンスは腕の立つ
ノーラとの関係を親密にし、これからの商売を有利に運ぼうと、報酬を上乗せしたのだ。(なるほど先行投資!そこまで考えているのは、流石はプロの商人ですね。でももしかしたら違う意味もあるかもしれません。)
ロレンス達はローエン商業組合の商館に滞在する事を告げ、もし用事があれば顔を出すように
言及。護衛ルートの確認をした。実際他の街にも足を伸ばすノーラは、ラムトラという街にも行く事が出来た。そこは騎士でも怖気づく暗い森を通る近道があった。しかしノーラにとっては、全く
問題無く通過出来る道。「客が付く可能性が、ぐんと上がります!」危険な道を通る事を恐れ
ない事を知ったロレンスは、多くの客が付く可能性を示唆した。
リュビンハイゲンは、高い城壁に守られた要塞都市。ロレンスは通行書を街の入管に渡した。
しかし持っている荷物が武具だと知ると、役人の男はちょっと顔色を変え「納税は現金か
現物か?」と尋ねた。迷わずロレンスが「現物!」という答えを出すと「賢明な判断だ!」と
一言洩らした。(何か秘密があるみたいですけど、もしかして武具はやばい商品なのか?しかも
納税品として渡した際には、役人に笑われていましたし。)
街は活気に満ち溢れ、露店にやって来た2人。ビールをおかわりするほど機嫌の良いホロ。
しかし「騎士と傭兵連中とはもめるなよ。後で面倒な事になる!」ロレンスは釘を刺し、商館に
向かった。(1人にしておくと、ホロがまた暴走しますから、そりゃやばいですね。ちなみに商館
とは、商人が身を守る為人同士のつながりを持つ場所。情報交換をしたりするのだ。そして今回はロレンスと同郷の組織の支部なのです。)
商館の前に立ったロレンスは、故郷の建物の作りを思い出し懐かしがった。そしてホロを
ドアの前で待たせて1人中に入って行った。(故郷を思い出すというのは、いいですよね。料理
とか建物とか歌とか友人とか!)そこには中年の男性が1人いて、最初はロレンスに嫌味を言うが「よく帰って来た我が息子よ!」と言いながら抱き付いた。名前はヤロタ。ロレンスの失敗した
エピソードを知り尽くす、父親的存在だ。
再会を祝う2人だが、ロレンスには怪しげな男の影が忍び寄る。果たしてこれからの展開が
どうなるのか、次回も目が離せません。野営時におねしょするって、恥かしいエピソードが
あるとは、駆け出しの頃は格好悪かったのですね。市場を駆け回るのは3流とか言ったのに。
それにノーラがリュビンハイゲンの人達から、嫌われているみたいで。あの魔導師騒動と
関係があるのでしょうか?