ミローネ商会にロレンスが持ち込んだ、トレニー銀貨にまつわる裏取引。支店長のマール
ハイトは「莫大な利益を生み出す情報」だと踏み、ロレンスの申し出を受諾し、ゼーレンの背後に
いるメディオ商会の先手を打って、トレニー銀貨を買い占め始めた。
しかしロレンスとホロが宿泊中の宿に、メディオ商会の手の者達が、突然来襲して来た。何とかして逃げ出した2人。ただホロは自らが囮になり、ロレンスをミローネ商会へ行かせようと考え
メディオ商会に捕まってしまった。それを知ったロレンスは、マールハイトにホロ救出を要請!ただホロを捕まえたのは、ミローネ商会にトレニー銀貨の買占めを止めさせる為では無く、メディオ
商会の狙いは、トレニー銀貨の裏取引を邪魔されない事。異端の狼ホロを教会に送られたく
なければ、取引が終わるまで、じっとしていろと脅迫して来たのだ。
ロレンスはメディオ商会が、ホロを取引後教会に連れて行く可能性を示唆し、ミローネ商会も
既に価値が下がるトレニー銀貨を大量に買い集めるべく、かなりの投資を行って来た。もし今手放せば莫大な損害を被るのは必死だ。「打って出るしか無いでしょう。」焦るロレンスは、マール
ハイトにホロを積極的に奪還すべきだと主張した。しかしマールハイトはロレンスを制止しな
がら、告発され教会に踏み込まれたら、従うしか無くしかもたとえ街の外に出ても、他の街で
告発される可能性もある事実を告げた。(教会の権力が強いのは、中世ヨーロッパです)
「向こうが得る利益を考えれば、金では対抗出来ない。何か手があれば・・・・・・」ロレンスは
この危機を脱する為の手段を必死で考えた。「1枚だけあります。」マールハイトは、先にホロの存在を教会に告発する手だと説明した。しかし当然ロレンスはそれを受け入れる筈が無い。改めてトレニー銀貨最大のメリットを考え直す2人は、トレニー王家から特権を引き出せる事だと
認識していた。現在トレニー王家は、財政的に苦しい状態で、銀の純度を下げ10枚分の銀貨を
13枚製造作るぐらいで、短期的には利益が出るが信用と国家の威信を失い、将来的には非常に不利益な事をしていたのだ。(せこいな水で薄めたジュースみたいで)
金に困っているトレニー王家に対し、集めた銀貨に対する交渉が上手く行けば、関税・造幣
市場管理などトレニー国経済の中枢権利を握る事が出来る。「そこでメディオが取引を終わらせる前に、貴方方が交渉を終わらせて、最大の利益を交渉のカードにする。」ロレンスは、メディオ
商会に対しトレニー国との交渉で得られた最大の利益を齎す権利をカードとして利用すべきだと
提案した。ただマールハイトは、異端であるホロというカードをメディオ商会が持っている事実を
考慮し、あまりロレンスの意見には賛同しなかった。
しかし火刑台に送られる様な危ない商会と、取引をしてる事を教会に知られたくないトレニー
国は名誉に掛けてもそれを内密にするはず。そこでミローネ商会が手に入れた特権とホロを
交換する事を推奨するロレンスは、メディオ商会がまだトレニー銀貨をそれほど所持していない
と判断し、ホロを自ら奪還しミローネ商会が交渉を終えるまで逃げ続けると示唆した。
(まとめるとメディオもトレニー銀貨を集めトレニー国の特権を狙っている。しかしそこにミローネ
が先に買い集め始めた。裏取引を行いたいメディオは、ホロが狼であると知り脅し交渉を
終えるまで、ミローネの動きを封じようとした。そこでロレンスはミローネがトレニー王と交渉し
集めた銀貨の代わり、特権を得てそれとホロを交換させようと相談したのです。)
たとえ逃げ切れなくても時間稼ぎは可能だ。そこでマールハイトは、トレニー王との交渉に
どれぐらいの時間が掛かるか試算を開始した。「今すぐトレニー城に馬を走らせれば、日没までには到着します。交渉を即決で行ったとして、帰ってくるのは夜明け頃です。」約1日で交渉
が可能であるとロレンスに説明したマールハイト。それほど早く交渉が出来る理由は、銀貨の
枚数は皮算用で行うから。決済日までに揃えれば問題無く、その気になれば交渉は全て即決
で行うのだ。勿論ホロの居場所も、万一に備えて配置している見張り役が知らせてくれるので
ロレンスの心配は杞憂に終わった。ただ教会は異端者をあぶり出す為、ミローネ商会以上の
捜査網持っているので、閉じこもるしか無いのであった。(ミローネ商会恐るべし!)
話がまとまった後ロレンスは、ホロ奪還の為地下水路から侵入しようとしていた。馬車に乗り
手引きの若者と地下に降りてからの経路について確認しながら。そして水路に入り言われた
通り、右側の壁を手を付けてながら進んで行くと、目的地の突き当たりに辿り着いた。その頭上の倉庫にホロがいるのだ。そしてパッツィオの市場開放の鐘が鳴り、いよいよ作戦決行!「何を
震えているんだ俺は!」ロレンスにも緊張感が漂い始めた。しばらくして「ラッヘ(連れを待つ
合図)」という掛け声がこだまし、「ヌマイ」「ピレオン」マールハイトと決めた合言葉を言い合うと
約束通りホロが姿を現した。
「早くどかんとわっちが降りられん。」袋を持ったホロが、ジャンプして地下水路に入り来た道を
戻り、地上に行けるハシゴが用意されている所から上がると、そこにミローネ商会の馬車が
あり、合言葉を互いに言い合い存在を確認し、ホロ救出は完了した。そして救出を手伝った男は
ハシゴを片付け、メディオ商会の情報を仲間に伝えるべく、別行動を取った。(ミローネ商会は
なんだかものすごいネットワークを持ってます)
「無事で何よりだ!」心配したロレンスが声を掛けると、プライドを傷付けられたホロは「わっちの名前を言ってみろ。」と言い怒り出した。「わっちは言ったよな!主が迎えに来なれと!わっちはな、てっきり主が来たものだと思って・・・・・・」助けに来たのがロレンスだと思っていたホロは
違う人物が登場しがっかりしていた。(ホロが男のあそこを取るぞみたいな事言って、脅かしたそうです。ああ怖いなあ)
「わっちを捕まえた中に誰が居たと思う?パスロエ村に居たクロエじゃ。」意外な人物の名を
口にしたホロ。クロエはゼーレンからホロの存在を聞いていたのだ。パスロエ村の豊作と不作を
コントロールしながら、麦の産地として栄えさせた自負があったホロ!しかし捕まった時クロエ
から言われた言葉は「あたし達が貴方の機嫌伺いをする時代は終わったのよ。貴方を教会に突き出して、あたし達は古い時代から決別するの。」ホロにとって悔しくなるほど、悲しい言葉で
だった。(クロエはメディオ商会を利用し、ホロを捕まえ教会に突き出そうとした。互いの利益が
重なり今回の誘拐劇に繋がったのですね。)
「物は考えようだ。北に帰るためには、どの道その土地を去らなければならない。後ろ髪を
惹かれなければ、後ろ足で砂を掛けてやればいい。ただでは出て行かないぞ。俺達は商人だ。
儲かれば何でも良い。笑うのは金が入ってから、泣くのは破産してから。俺達は笑うんだ!」
ロレンスはホロを慰め、金を儲けて将来一緒に笑おうと言った。
2人が乗った馬車が目的地に到着し、ロレンスはメディオ商会のバックには、エーレンドット
伯爵おり、伯爵寮で麦の買い付けを行っている商人が、銀の大口回収人だという情報を掴み
マールハイトに伝える様に依頼し、ミローネ商会がトレニー国との取引が終わるまで、再び
メディオ商会の追っ手から逃れる為、地下水路に入った。(ちょっと女の魅力を使うホロがずるくて小悪魔的だなあと思いました)様々な人達の思惑が重なり合う物語の展開が楽しみです。