お友達から暑中見舞いが届きました。
心の目で銀ネコだと思え、とのことでした。
高杉のとこで、あいつが留守の間に扇風機前を陣取る銀ネコ。
高杉は扇風機なんて使いませんが、あんまり「暑っちィ暑っちィ」騒いでうるさい(とはいうものの、高杉はネコが銀時だと気づいていません)ので、万斎に準備させました。
本人、ネコの銀時をほっといて、優雅に舟遊び中。
銀ネコの腹がぐるきゅ~と鳴り、腹減ったな~…と思う頃、ふらりと帰ってくる高杉の足元に、ナーナー言いながらまとわりつく銀ネコ。
歩を進める高杉の両の足の間を、スルスルと器用にくぐりながら着いてくる猫に
「おいおい、踏んじまっても知らねェぜ」
と、歩みを止めて、高杉は足元の毛むくじゃらに目を落としました。
「ニャー、ニャー(飯くれよ、腹減ってんだよ)」
「あん?なんだおめぇ」
「ニャー、ニャニャー(腹減ったんだって)」
「……腹でも減ってんのか?」
「ニャウ!(そう!)」
「それとも発情期かぃ」
「ニャッ?!……フニャギャー!!(ちっ、違ぇよバカー!)」
銀ネコは逆毛も立たせんばかりに伸び上がって、飯をくれとアピールしますが、なにしろネコなので、高杉には畜生がうるさく騒いでいるようにしか見えません。
「煩ぇ奴だなァ、ったくよォ」
とつぜん、銀ネコは自分の体がふわりと宙に浮き上がるのを感じました。
高杉の手のひらが、自分の腹を、ひょいと掬い上げたのです。
「そう騒ぐな。誰もやらねーとは言ってねェだろうが」
どこか面白そうな調子でそういうと、高杉は、目の高さまで持ち上げたそれを、しげしげと眺めました。
半間ほど開いた障子から差し込むお日さまの光は、ネコの目を赤銅色に変えています。ふて腐れたように見返してくる目の前のそれは、光があたる度にくるくると色を変えて、高杉をふと、懐かしい気持ちにさせました。
「――あいつみてぇだなァ」
腕の中に抱えなおした猫の、その毛むくじゃらのアゴを親指の腹でひと撫ですると、ネコは気持ちよさそうに目を細めます。高杉は、しばらくそうして銀色の毛並みに指を滑らせていましたが、やがて、フンと鼻を鳴らすと、強い西日をさえぎるように、障子窓を閉めました。
「ちょいと待ってろ、いま用意してやる」
高杉は猫をそっと放ると、そう言って、襖の向こうへと消えていきました。
畳から香る日向の匂いに混じって、覚えのある煙管の香りだけが残りました。
銀ネコは、自分を抱いた高杉が、一瞬だけ見せた優しげな眼差しを思い出していました。
(あいつって誰だよ――)
閉じた襖の向こうからは、なんの答えも返ってきませんでした。
銀ネコは、ふわりと大きな欠伸をすると、長い尻尾を揺らしながら、ゆっくりとまるくなりました。
ご飯にありつくのはもうすぐです。
おわり
というわけでちゃんと心の目で見た結果です。
ハイ作文んん!!!!!
プレゼントありがとね~
終