第4話 『アナフィラキシー』
一貫して、価値観というものを考えさせられる作品です。大切なものは、状況によって、大切ではないものになるのだろうかと訴えてくるような気がします。
メイスン大佐は、息子の死を持ってそのメッセージを受け取ることになったのだと思うのだけど、受け止められたのかどうかは、その後が描かれていないので分かりません。
でも、手塚漫画のすごいところは、ストーリーが終わったあとにも、この登場人物はその後どうなったのだろうと、読者に思わせるところです。読後の余韻が素晴らしいのは、手塚作品のメッセージ性が高く、明確だというところにも理由がある気がします。
メイスン大佐は、息子を愛しているので死なせたくありません。
ですが、戦死なら、死んでも良いと考えています。
悲しみを誇りという形で昇華することは、大佐にとって当然のことだったからです。でも、息子は違いました。息子だからといって、彼は大佐と同じ感性を持ってはいませんでした。大佐とは違う感性を持った、ひとりの人間なのだということ、そしてそれは読者の私たちにも痛烈なメッセージとなって、人間とは、家族とは、命とは、というテーマを問いかけてきます。
実は熱く語っておきながら、そんなに好きなお話というわけでもないのよね。
作品としてはすごく良く出来てると思うんだけど…。なんでだろ??単に好みの問題なのかもしれない。漫画から音が聞こえてきそうなほど、導入部と、メイスン大佐の登場のシーンは映画的で、カメラワークの素晴らしさを感じます。
リボンの騎士のサファイヤが、さりげなく説明役をしているのもご愛嬌。
息子の死を知った大佐の、表情の移り変わりも大注目です。手塚先生の線って、あんなに単純なのに、どうしてあんなに表現豊かなんだろう。生き生きとしたリアルな表情が素晴らしいと思います。
さて注目の主人公、ブラックジャック先生ですが。
メイスン大佐が、自分の戦場での活躍を楽しそうに語る姿に「ぺっ」とかつばを吐いていらっしゃいます。
まー珍しい(笑)
そして報酬は1000万円をご請求。
「現ナマ」なんつー言葉を使っていらっしゃいます。
この作品では、先生はわりと悪者チックに描かれている気がしますね。大佐の息子さんが死に掛けてることに対しても、ニヤニヤと笑いながら対応したり、「金のためにやるのさ」なんてセリフをわざわざ言ったりとしているところに、手塚先生のブラックジャックを良い人にするつもりは無いことへの意図を感じるのですが、どうでしょう。
ですが、大コマを使って、命がけのオペをしてるんだというセリフもあることから、ブラックジャック先生は信念の人であることが強調されているようです。
そうだよねー。命に対する認識。これがなくっちゃ手塚漫画じゃないのよさ(ピノコ)
多分、今までの中で、第4話が一番しゃべってるんじゃないかなー、ブラックジャック先生。
◎好き度 ★☆☆☆☆
◎報酬 1000万円
◎ここまでのブラックジャック情報
・術後、バーで飲んでるグラスにストロー。なに飲んでんだ。
・初のメス投げ登場。うまい。
・軍人の大佐を軽々と姫抱っこ。力持ち。