ここまで来て

引き返す勇気は無い


島に帰る気力も失せてしまう



駅名標を見上げてばかりの

憂鬱




どうしたの

こっちだよ…


虚無が

高架下で

ニヤけた手品師になりすまし


まやかしの花を咲かせて

手招く





いいよ…



どこに居ても

何の理由も

目的も無いんだもの




昼と夜が入れ替わる刻


人の波に躓き

小突かれながら

私は



透けたクラゲのように

煌びやかな都会の海を彷徨う