母がねだった故郷の

じゃこ天を差し入れに

姉とふたり

ホームの母の面会へ行く


車椅子に座った母は

幸せそうな表情で

目をつぶり

ひとくち食べる


気丈で美しかった母も年を取り

細く小さくなってしまった…

自分の親が老いて弱る姿を見るのは

ちょっぴり切ない


大人の事情なんて

子供の頃には理解出来なくて

母との確執は長く続き

随分憎んで来たけれど


生きて会えるこの喜び


永遠に続くものは無いから

この瞬間が愛おしい



「また来てね」



職員さんに車椅子を押されて

母はエレベーターの前で手を振る



「また来るわ」



今更ながら

憎しみの裏側が愛だったと知る

私は

見送られるのが苦手な

幼稚な娘です