最終を告げる駅員の

鼻に抜ける声


都会は深い霧の中


螺旋五階の 

メタリックな扉を引いた


暗闇の中に芒と浮かぶ

白蠟の屍


潰れたアルミと

ガラス片に埋もれて


絹糸を噛むように

渇いた唇がモノを言う


落としてあげるよ

底に残ったひとしずく


行くことも戻ることも

出来ないおまえの


黄泉がえりの道標に