窓を打つ雨音は

鬼が骨を嚙る音だと


研ぎ澄まされた

触角のような

その指先が

戻らない過去をなぞる


心でしか泣けない

あなた


賑やかな場所を避け

日の当たる場所を嫌い

砕けた記憶の断片を


吹き降る 雨に

洗い流すかのように


日ごと 夜ごと

心の奥底で


雨音だけを 聴いている