「小学生の自分に会ってみよう」

 

 

「ちょっといいですか?」

 

お父さん

「! まさか、未来のあざみなのか!」

 

「ご無沙汰しております。どうしても、昔の自分について、お父さんに解って欲しかったので、会いにきました」

 

小学生

「それなら言うけど、僕、お父さん嫌い。いつも説教ばかりしてくるし、普通の親子じゃない」

 

「私はこの小学生の言いたいことが解っていまして、お父さんは、倫理が大事だと思っていますよね?」

 

お父さん

「そうだよ」

 

「その倫理では、『気づいたことは、身軽にすぐ行いなさい』と教えますよね?」

 

お父さん

「そうだよ」

 

「それで、お父さんの話を聞いている途中で、あざみが何かに気づいてやりたいと言い出したら、お父さんは『まだ話の途中だよ』と怒りますよね?」

 

お父さん

「怒りはしないけど、言うね」

 

「これは普通。やりたいことに気づくのも大事だけど、お父さんが最後まで話を聞いて欲しいだろうな、ということに気づくのも大事なんだよ」

 

小学生

「! そうだったのか! 僕が悪かった!」

 

「百歩譲って、お父さんが仮に悪かったとしても、あざみはどうして素直にそのことをお父さんに言わなかったの?」

 

小学生

「ああ、どうせ、解ってもらえないと思ったから……」

 

「これは今のあざみもそうなんだけど、あざみは独りで抱え込む癖があるの。思い切って相談してみたら、案外簡単に誤解が解けることもあるの。それを覚えていて」

 

小学生

「解りました。素直に相談します」

 

「私が言いたかったことは以上です。未来に帰ります」

 

お父さん

「解った。頑張ってね」