あざみ

「俺は何をすれば救われるんだ?」


理想の指導者

「まず、感情を吐き出して。全てをぶちまけて、自分に正直になって」


あざみ

「泣きたくは無い。同情はいい。怒りたくはない。罪悪感がある。俺は親父が原点なのに、そのことを素直に認めていなかった。俺は親父になりたかったんだ。それならそれで、素直に親父の話を聞けば良かった。俺は自分の倫理力が信じられないけど、親父の教えによれば、それは確かにあるはずなんだ。それを信じて使えば良いんだ。俺は親父ほど真っ直ぐには生きられないけど、それでも信じたいものはあるんだ。

 

 こんなところですかね」


理想の指導者

「まだ甘い。本音を言っていない。罪悪感はあるけど、本当に認めて欲しい自分は何なんだ?」


あざみ

「俺は親父が好きだ。親父は真っ直ぐに生きている。俺もそうなりたい。でも無理なんだ。俺は親父ほど倫理を真っ直ぐには信じられない。いつも疑問が浮かぶ。倫理力は本当にあるのか。仕合わせは独善じゃないのか。自分が幸せになりたいなら、勝手に独りで幸せになれば良いんじゃないのか。自分の妄想や願望に他人を巻き込むのはどうなのか。信じる姿は美しいけど、その妄信で他人を巻き込むのはどうなのか。俺は親父の信じる姿は憧れるけど、それには他人を巻き込むという妄信の側面があることに気づくべきじゃないのか。俺は親父のようになりたいけど、親父のようになりたくない俺もいて、そこで葛藤があるんじゃないのか」


理想の指導者

「それで良い。何もかも受け入れられるわけではないんだ。お前が父親に憧れるのは本当だけど、反発する自分もいるんだ。それを解決すれば良い。解決策は、自分に向き合うことだ」


あざみ

「解りました」