「お母さんの話を聞かせて欲しいです」

 

 

弥生

「私は両親から学校に行けって言われたんだけど、そこでいじめられた。

 

 持ち物を泥棒されたり、後ろから殴られたりした。

 

 それで、いじめっ子に勝つにはどうしたら良いか両親に相談したら、私立中学に行けば良いということだった。

 

 勉強ができる子ばかり集まる学校なら、わざわざいじめてくる子もいないだろう、と。

 

 

 それからの私は勉強漬けだった。

 

 中学では学年3位の成績を収めた。大学受験では国立大学に現役合格した。大学院を修了して、就職した。

 

 そこまでは順調だった。 

 

 

 だけど、リアルの自分が物足りなくて、インターネットで遊ぶようになった。

 

 そこでは、皆がもっと自由に生きていた。自給自足の農家をやっている人や、フリーターで遊び半分の仕事をしている人がいた。

 

 私の会社員生活が視野の狭い世界で、もっと広い世界に行きたくなった。

 

 それで、丈を出産して、統合失調症になって、会社を辞めて、新しい職場を見つけた。

 

 以上」

 

 

「そうか、お母さんは、自分の人生が嫌いになったんだね。今からでも好きになれると良いね」