善人
「私が最初に思ったのは、両親に愛されて幸せだということでした。
お父さんは私に、『人は苦労するけど、その分だけ天国に行けるんだよ』と言ってくれました。
天国って何? と思っていると、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を貸してくれて、他人を助けたら天国に行けると教わりました。
それで私は、他人を助けることにしました。
お母さんは私に、『あなたは魚座A型だから優しい子になるわねー』と言ってくれました。
お母さんは本当に幸せそうに言ったので、私はそれを信じました。
しかし、中学生の時に、私は同級生から血液型を聞かれて、正直にA型だと答えたら、『B型だと思っていた……』と嫌そうな声で言われました。
それで、血液型について調べてみたところ、漫画や小説の中でなら自由に血液型を変えられることに気づきました。
それで私は、大学生になった時に、わざとB型やO型に見える演技をして、同級生を騙しました。
そして、会社員になった時に、星座×血液型を研究するブログを書きました。
そのブログでは、読者さんから性格タイプの判定依頼が来たので、引き受けました。
さらに、自分の身の上話をしてきた人がいて、それが可哀想で同情して、情報提供をしました。
そういった人間関係の中でトラブルがあって、統合失調症になりました。
今は前の会社とは違う職場に通っていて、自宅では家事手伝いをしています。
以上です」